・【映像】なくならないSNSの誹謗中傷...撲滅するには?投稿者と一緒に考える
「あんたの死でみんな幸せになったよ、ありがとう。テラハ楽しみにしてたのに、お前の自殺のせいで中止最後まで迷惑かけて何様?地獄に落ちなよ」と特命でTweetしていたという被告男性。裁判には出廷せず、答弁書の提出をすることもなかった。
■減らない相談…「むしろ上の世代の意識の問題も」
オンラインチャットで相談を行うNPO法人「あなたのいばしょ」の大空幸星代表も、「残念ながら相談件数は減っていない」と話す。
「木村花さんへの誹謗中傷については、これまでに2名が侮辱罪で刑事処分を受けているが、法定刑は30日未満の拘留と1万円以下の科料。2名についても、科料は9000円と、軽いものだった。だからこそ警察の方も放置しがちだし、木村花さんの件が起こるまで、あまり動いてはこなかった。やはり言論の萎縮に繋がらないことに気をつけながら、刑法の改正も含めてやっていかないと、抑制策にはならないと思う。
そして気をつけなければいけないのは、これは若者だけの問題ではないということだ。今の子どもたちは学校でSNSの使い方を学んでいるので、実はある程度はリテラシーがついている。僕自身も大学生だが、日常のコミュニケーション当たり前のようにSNSを使っていた世代なので、距離の取り方のようなものが感覚的にわかる。しかし上の世代の方の中には、子ども、若者の問題だから関係ないと考えていたり、何が誹謗中傷にあたるのかといった知識が欠けたままSNS上で踏み込んだコメントをしている方もいる」。
■紗倉まなに“黙れブス”…「本当にすみませんでした」
高校時代、そんな紗倉に対して誹謗中傷する投稿をしたことを後悔していると話すのがTさんだ。番組の求めに応じ、プライバシーを保護する形で生出演したTさんは、「まず謝罪をさせてください。本当にすみませんでした」と謝罪。「紗倉さんが高専在学中にAV出演したということを知り、高専に通っていた自分は面白半分で“黙れブス”と、思いついた言葉を条件反射のように書いてしまった。罪悪感も無かったと思う」と告白した。
これに対し紗倉は「責めたいという気持ちは無い。ただ書いた時、私が傷付くのを望んでいたのか、ただ書いたことで満足しただけったのか、どんな感情だったのか」と尋ねると、「紗倉さんが傷付いてほしいという考えは無かったし、正直なところ“ブス”とも思っていななかった。言い方は良くないが、単純に“若気の至り”という感じだったと思う。これが犯罪だったとしても、16歳だから関係ないという考えもあったと思う」。
Tさんはその後、SNSや実生活の中で悪口を言われたり、揶揄されたりする経験をする中で、他人が嫌な思いをするようなことは言わなくなったという。
■増える相談…「自分も逮捕されてしまうのか」
「芸能人やスポーツ選手、さらには友達に対して誹謗中傷に近いことをやってしまったのではないか。自分も逮捕されてしまうのか、という相談が増えている。ただ、誹謗中傷をしたという明確な自覚も反省もある人と、自覚はしているものの反省はしていない人もいるし、多いのは自覚がなく、反省だけしているという人だ。だから僕たちとしては、自分の言動を振り返ることはできますかと聞いていき、反省の心を心に留めてもらうように一生懸命伝えるようにしている。
木村花さんの母・響子さんが仰っていた“歪んだ正義感”というのも、まさに共通している点だ。スタジオのコメンテーターのようにアドバイスしたつもりだったとか、誹謗中傷をした人に対して“お前は殺人者だ”などと誹謗中傷し、相手が自ら命を絶つようなところまで詰めてしまったり。やはりSNSの中で、その“歪んだ正義感”を振りかざさない気をつけていかないといけないと思う。もはや匿名だから罰せられないという時代は終わった。そこに自覚がない、知識がないということではいけない」。
最後に大空さんは「法整備と同時に被害者・加害者のサポートを進めることはもちろん、僕がよく言っているのは、“5秒間立ち止まろう”ということ。この言葉を相手が届いた時、どう受け取るのか。歪んだ正義感を振りかざしてはいないか、そういうことを考えてから送信することが必要だと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
(出典 news.nicovideo.jp)
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