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    『週刊プレイボーイ』で「挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリストモーリー・ロバートソンが、新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領について語る。

    * * *

    入院からわずか3日で退院し、ヘリコプターホワイトハウスへ帰還すると、バルコニーでマスクを外してみせたトランプ大統領。「新型コロナに勝った強い指導者」を演出したわけですが、その映像はいつものような"つくり込み"が不十分で、言葉を選ばず言えば「ショボい」という印象を受けました。

    "トランプひと筋"な人たちにとっては劇的なカムバックだったでしょうが、リベラル層のみならず無党派層でも、「魔法が解けた」ように感じた人は少なくなかったのではないでしょうか。

    僕が思い出したのは、東欧のルーマニアの革命前夜――1989年12月21日に首都ブカレストの旧共産党本部庁舎前広場で、10万人を動員して行なわれた独裁者ニコラエ・チャウシェスク大統領による最後の大演説です。東欧の共産主義独裁者アメリカのデマゴーグ大統領を比較するのはかなり乱暴な面もありますが、まあ聞いてください。

    意気揚々と語りだしたチャウシェスクですが、1分ほど経過すると、民衆から罵声(ばせい)が上がり始めます。5日前に多数の死者を出したデモ隊と治安部隊との衝突、「ティミショアラ事件」に抗議する声でした。

    自身を礼賛(らいさん)する"つくられた歓声"のなかに、わずかに響くノイズ。それは次第に大きくなり、そして爆発音が......。チャウシェスクは言葉を失い、演説は中断されました。

    国営テレビの生中継は、庁舎を遠くから映した画面に突如切り替わりますが、マイクはオンのまま。聞こえるのは民衆の怒声、狼狽(ろうばい)するチャウシェスクの力ない言葉、そして妻のエレナ大統領が民衆に向けて発する「静かにしなさい!」というむなしい叱責(しっせき)です。

    約2分後、画面には再び演説を始めたチャウシェスクが映りましたが、彼はひどく動転していた。その瞬間、24年にわたり偉大な指導者として君臨してきた人物が、等身大の老人にしか見えなくなってしまったのです(4日後、彼と妻は銃殺刑となりました)。

    まだ11月3日の米大統領選挙まで何があるかわかりませんが、31年前のチャウシェスクがそうだったように、あのホワイトハウスでの映像はトランプの"虎の威"がはがれた瞬間だったのかもしれません。

    連邦最高裁判事に超保守派のエイミー・コーニー・バレットを指名したトランプは、コロナに感染する直前まで、有利な状況をつくり上げつつありました。大統領選前にバレットの承認手続きが完了すれば、最高裁判事は9人中6人が保守派となるからです。

    激戦州で再集計が必要なほどの接戦にさえ持ち込めば、最高裁に結論を求めて結果を歪めることもできた。2000年共和党ブッシュ陣営が選挙人制度の虚を突いて、より多くの票を獲得した民主党のゴア陣営を負かしたように。

    しかし、トランプ本人と共に複数の共和党上院議員がコロナに感染したことで、最高裁判事の承認投票が大統領選の前に行なわれない可能性も出ています。また、感染後のトランプのあまりにも不規則な言動により無党派層が離れ、激戦州でも接戦に持ち込めないかもしれません。

    繰り返しますが、選挙は最後までわかりません。ただ、コロナを軽視し続けたトランプが、最後はコロナに泣く―そんな因果応報な結末も見えてきたように思うのです。

    モーリー・ロバートソン(Morley Robertson)
    国際ジャーナリスト1963年生まれ、米ニューヨーク出身。『スッキリ』(日テレ系)、『報道ランナー』(関テレ)、『所さん!大変ですよ』(NHK総合)、『Morley Robertson Show』(Block.FM)などレギュラー出演多数。2年半に及ぶ本連載を大幅加筆・再構成した書籍『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(集英社)が好評発売中!

    「コロナを軽視し続けたトランプが、最後はコロナに泣く――そんな因果応報な結末も見えてきたように思うのです」と語るモーリー氏


    (出典 news.nicovideo.jp)


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    【【注目情報】「コロナ明け」のトランプに感じた虚像の終わり】の続きを読む

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    15人の権威:「ワクチン使用は時期尚早」

     10月22日は、ドナルド・トランプ大統領にとっては劣勢を一気にひっくり返す最後のチャンスだった。

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     しかし、いくら贔屓目にみても、この日トランプ氏が態勢を逆転させたとはいえない。

     がっぷり四つに組んだジョー・バイデン民主党大統領候補の余裕ある寄りに徳俵に足がかかった。

     一つは、各種世論調査平均値で9%強、リードされているバイデン氏との最後の直接対決となった2回目のテレビ討論会。

     そしてもう一つは、研究開発が続けられてきた新型コロナウイルス感染を止めるワクチンが一般人に投与できるか、15人の医療・公衆衛生分野の権威によって判断が下される日だった。

     トランプ大統領が策定した国家プロジェクト、『オペレーション・ワープスピード』がワクチン開発可否を報告する期限だった。

     総額100億ドルを投じた。アストラゼネカ社とオックスフォード大学には12億ドル、モデルナ社には4億8300万ドルを提供して尻を叩いた。

     だが、結果は「時期尚早」。

    「ワクチンは大統領選挙前には皆に配れる」と豪語していたトランプ氏の夢はもろくも消えてしまった。

     この日、「ワクチン投与」の許可が出れていればバイデン氏を粉砕できたのに・・・。

     討論会の方はどうだったか。

     コロナ禍のため主催者が提案した2回目のバーチャル討論会への出席を拒否したトランプ氏。

     満を持して乗り込んだ第1回はトランプ氏の発言妨害、不規則発言で「史上最低の大統領候補討論会」となった。

     今回はいくらか改善されたかと思いきや、政策論争には新味はなく、相も変らぬ揚げ足取りと個人攻撃、両陣営がテレビ広告やSNSで流すネガティブキャンペーンの焼き直しだった。

     トランプ氏はバイデン氏に「脱税疑惑」やロシアチャイナ・コネクションを追及されると、逆にバイデン氏の息子のウクライナや中国との「怪しげな関係」を取り上げた。

     トランプ氏がツイッターで連日のようにやってきた批判者への反論、「目には目を」。

     テレビ人気ドラマ半沢直樹氏顔負けの「やられたらやり返す、二倍返し」手法がこの日の討論会では再現された。

     コロナ禍真っ只中の討論会も、有権者にとっては、現実離れしたリアリティショーに過ぎなかった。

     投票態度を決めずにいる都市近郊在住の「ワイン・マム」(Wine Mom*1たちにとっては時間の無駄だったに違いない。

    *1=都市近郊に住むアッパーミドルの有閑マダムたち。他の女友達とワインを飲みながら世相談議に花を咲かせ、大統領選では誰に投票するか決めかねている女性陣のこと。

     どちらに軍配が上がったか。両陣営や支持者はそれぞれ俺たちが勝った、相手が負けたと言い合っている。

     一方、中立なはずのテレビネット、新聞は、ニューヨークタイムズCNN、MCNBCといった主要メディアバイデン氏、保守のFOXニュースやタブロイド紙のニューヨークポストトランプ氏に軍配を上げていた。

     分裂する米国の最大の特徴の一つは、リベラルと保守、都会居住者と非都会居住者、高学歴者と低学歴者などが見るチャンネル、購読する新聞が全く異なることだ。

     従って得ているニュース、情報も違っているのだ。

     分裂が加速化し、分裂の度合いを深めているのはメディアのせいなのだ。

     誤解を恐れずに言えば、全国レベルニュースを均一化させているNHKBBCの夜7時のニュースのような番組が米国にはないのだ。

     バイデン支持者はCNNニューヨークタイムズから、トランプ支持者はFOXニュースや保守派ラジオから異なる視点のニュースを得ている。

     トランプ氏の遊説を報じているテレビニュースでもお分かりだと思うが、集まっている支持者たちの表情や行動と、バイデン氏の遊説に集まっている支持者たちのそれとの違いが一見して分かるのはそのためだ。

     これに拍車をかけているのがSNSの劇的な拡散だ。

    頼みのツイッターまで敵に回した

     終盤を迎えた米大統領選挙とSNSとの関係は急速に深化してきている。

     そうした中で、SNSの雄、ツイッターが、投稿内容を事前チェックすると宣言した。今回の措置は、少なくとも11月上旬の大統領選挙の週まで続けるとしている。

     その背景には、トランプ大統領の、時に誤った情報を含んだツイート(つまりフェイクニュース)が、リツイートによって「拡散」されて公正な選挙キャンペーンができないとの判断がある。

     きっかけは、4年前の大統領選にある。

     トランプ氏とヒラリー・クリントン氏が激しく争ったこの選挙では、SNS上でフェイクニュースが拡散。選挙結果にも少なからぬ影響を与えた。

     米情報機関はロシアによる選挙介入があったと断定した。

     フェイスブックなどSNS各社は、ロシアが介在する投稿を適切にチェックできなかったとして強い批判を受けた。

     そこに、すでに指摘した社会の分断に伴う政治思想や主義・主張の対立が加わってきた。

     反対意見の人をインターネット上で徹底的に攻撃する風潮を強めたのは、トランプ氏自身だった。

     米各界からツイッターフェイスブックなどSNS各社に対応を求める声が高まった。

     こうした状況を受け、ツイッターは政治的な広告を禁止したわけだ。

     当初は、ツイッターは、トランプ氏の誤った情報を含んだ投稿に警告ラベルを表示。

     その後、トランプ氏の発信するツイッターにはあまりにも事実誤認やフェイクニュースが多すぎるとの判断から事前チェック措置に踏み切った。

     一方、ネオナチ人種主義ネット上で増長させるグループも現れた。

     今注目されているのが「Qアノン」だ。

     インターネット掲示板に投稿を始めた「Q」を名乗る匿名の人物が3年前に始めたネットだ。

    陰謀説」を掲げるネオナチグループで、人種主義を標榜している。ネット上でトランプ再選を訴えている。

     上下両院の選挙ではQアノンを支持する候補者が25人にものぼっている。

     SNSから閉め出された超保守派分子が始めた新興のマイクロブログSNSに「パーラー」(Parler)がある。

     ネバダ州ヘンダーソンに本社を置いているがオーナーは不詳。極右、反ユダヤ主義的な情報を発信している。

     ツイッターとよく似た機能を持ち、今年7月時点で利用者は280万人。利用者の多くは、トランプ氏を支持する保守派の人たちだ。

     レギュラー投稿者にはマイケル・フリン元大統領国家安全保障担当補佐官やトランプ氏の政治顧問だったロジャー・ストーン氏が名を連ねている。

     新型コロナ禍で、選挙運動が制約された。その分、SNSが「主戦場」になってきた大統領選。

     残り2週間、投票日の11月3日ぎりぎりまで、両陣営と応援団SNSによるネガティブキャンペーンが過激化しそうだ。

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201022/k10012675501000.html

    民主党「トリプル勝ち」の可能性72%

     2016年世論調査の支持率が実際の選挙とは異なる結果になったことから、バイデン氏がいくら9%強リードしていても「まだまだ分からない」という声は米国内だけではなく、世界中に拡散している。

     そうした声があることを百も承知で、10月22日に公表されたABCニュース傘下で、その「予想力」では定評のある世論調査機関「ファイブ・サーティ・エイト」(FiveThirtyEight)の予想を最後に紹介する。

    2021年1月、ワシントンは一党独裁タウンになる十分なチャンスが出てきた」

    「というのも民主党大統領府を奪取するだけでなく、上院、下院でも過半数を取れるチャンスが72%出てきたからだ」

    民主党がトライフェクタ(Trifecta=トリプル勝ち)を収めるのはバラク・オバマ第44代大統領2009年から10年までの2年間以来だ」

     その時、民主党は何をするか。

    ファイブ・サーティ・エイト」は最高裁判事の増員、ワシントン特別区プエルトリコの州昇格、地球環境保護を兼ねた「グリーンニューディール」国家プロジェクトを上げている。

     気の早い話だが、下院は「トランピニズム」のあおりを受けて討ち死にする共和党現職議員が急増、上院でも共和党の現職議員が各州で苦戦、民主党が過半数を取る可能性が出てきている。

    「トライフェクタ」実現のチャンス72%は決して民主党にとっては夢ではなくなってきた。

    https://fivethirtyeight.com/features/what-would-democrats-do-if-they-controlled-congress-and-the-white-house/

     民主党地滑り的勝利の可能性は州知事選、州議会選にも連鎖反応を見せ始めている。

     今年行われる州知事選47州では民主党が24州、共和党が23州で勝利との予想がすでに出ている。

     民主党が知事、州上院、下院を制する「トライフェクタ」は15州となり、共和党と互角になるとの予測も出ている。

    https://fivethirtyeight.com/features/could-democrats-win-full-control-of-more-state-governments-than-republicans/

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  バイデン親子が「中国で儲ける説」の裏付けが続々

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    不規則発言を禁じたルールは守られたが何の面白みもなかったテレビ討論会(米国時間10月22日夜、日本時間23日午前に開催)


    (出典 news.nicovideo.jp)


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    【【フェイクニュース】TV討論会不発、米国で囁かれる共和党総崩れの危機】の続きを読む

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     核兵器禁止条約を批准した国が24日に50か国に達し、来年1月22日に発効することになった。

     国際NGOICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンによると、24日、中米のホンジュラスが核兵器禁止条約を批准したということだ。これによって、条約の発効に必要な50の国・地域の批准が集まり、90日後の来年1月に発効することになった。

     条約は、核兵器を非人道的な兵器として初めて法的に禁止した国際条約で、発効すれば、核兵器の使用・保有のほか、核使用を示唆して威嚇することも違法化されている。

     条約は2017年に国連で採択されたが、アメリカの「核の傘」に頼る日本は消極的な姿勢をみせていた。(ANNニュース
    核兵器禁止条約の批准国が50か国に到達 来年1月に発効へ


    (出典 news.nicovideo.jp)


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    【【社会問題】核兵器禁止条約の批准国が50か国に到達 来年1月に発効へ】の続きを読む

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    イギリスで過去の全ての記憶を失った女性が、なおも彼女を愛し続ける恋人と再び恋に落ちるという映画『50回目のファースト・キス』のようなカップルの話題が届いた。女性は今、「交際したての新鮮な気持ちで彼を愛している」という。『Metro』『Mirror』などが伝えている。

    サリー在住のソフィー・クレイトンさん(Sophie Clayton、27)と恋人のジョナサンウィルソンさん(Jonathan Wilson、27)は、2017年11月に知り合って交際を開始した。しかし昨年11月、2人の間に危機が訪れた。

    当時、緊急コールセンターの仕事をしていたソフィーさんは、夜勤に向かうため自宅で身支度をしていた。ところが突然鼻血が出始め、出血が止まらずにいると今度は左目からも出血した。ソフィーさんの母親は娘が脳卒中を起こしたと思い、急いで救急車を呼んだ。

    ロンドンのセント・ジョージズ病院に搬送されたソフィーさんは、脳と神経をつなぐ信号が遮られた状態となる「機能性神経障害(FND)」と診断され、10日間入院することとなった。

    米ミネソタ州に本部を置く「メイヨー・クリニックMayo Clinic)」によると、FNDを発症する原因は不明な点が多く、一説によると神経障害、ストレス、精神的または肉体的外傷によって引き起こされる可能性があり、症状としては飲食、視力、聴力、そして歩行などが困難になる場合があるという。

    ソフィーさんの場合は、脳に何らかの圧力がかかっていた状態に鼻血が出たことで一気に脳に張力が働き、FNDを誘発したのではないかと言われている。これによりソフィーさんは歩行などが困難になったうえ記憶障害となり、自分の名前はもちろんのこと両親や恋人のジョナサンさんのことも記憶から一切消えてしまった。

    ソフィーさんの入院後、すぐにジョナサンさんが見舞いに来たものの母親に「この男性は誰なの?」と訊いてしまったという。しかしジョナサンさんはソフィーさんを諦めることなく、彼女に寄り添い続けた。彼は2人の思い出の場所であるバースクリスマスマーケットやロンドンキューガーデンにソフィーさんを連れて行き、常に愛を伝えた。

    そんなジョナサンさんにソフィーさんが再び恋に落ちるまで時間はかからなかった。ソフィーさんはジョナサンさんについて次のように語っている。

    「記憶を失った当初は、何だか人目が気になって落ち着かない感じがしました。そんな中でジョナサンは常に『君は美しい』『君を愛している』と語りかけてくれました。」

    「私達の思い出を失ったことが本当に辛かったのですが、彼がそれを再現してくれることに幸せを感じました。そして私は、また彼に恋していることに気づいたんです。」

    ソフィーさんはジョナサンさんに対して出会った当時の新鮮な気持ちで向き合うことができ、その感覚が幸せな気持ちにさせてくれるのだという。

    それからというものソフィーさんは記憶を取り戻せないという事実を受け止めて、過去にとらわれることなく前に進むことだけ考えるようになったそうだ。2人は現在、来年から一緒に暮らすための新居を探している最中とのことだ。

    画像は『Mirror 2020年10月22日付「Woman, 27, back in ‘honeymoon phase’ with boyfriend after losing her memory」(Image: Sophie Clayton / SWNS)』のスクリーンショット
    (TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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    【鼻血が出た後に全ての記憶を失った女性、愛を伝え続けた恋人と再び恋に落ちる(英)】の続きを読む

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    今年1月にイギリスで幼い兄弟が火災に巻き込まれ、父親によって4歳の兄は救出できたものの3歳の弟が亡くなってしまった。のちに父親が兄弟を救出する際に痛恨のミスをしていたことが明らかとなった。『Mirror』『Metro』などが伝えている。

    ウェールズで今年1月19日の午前5時35分頃、ショーン・ハーヴェイさん(Shaun Harvey、28)が住むトレーラーハウスで火災が発生した。中にはショーンさんの息子のザック君(Zac、3)とハーレイ君(Harley、4)が眠っていた。ショーンさんは自身も火傷を負いながら、幼い息子達を救出しようとしたが、ザック君を救うことができなかった。

    当時のメディアは「火の勢いが強すぎてザック君は救えなかった」と伝えていたが、最近になってこの兄弟の母親であるエリン・ハーヴェイさん(Erin Harvey、28)がジャーナリストチームによるポッドキャスト『Rewl Fix』で、火事が起きた当時に何が起きたのか真実を語った。

    ショーンさんとエリンさんは別居状態にあり、ショーンさんはエリンさんの母親宅の庭にあるトレーラーハウスで暮らしていた。火災が起きた日、ザック君とハーレイ君は父親のショーンさんと共にトレーラーハウスで過ごしており、就寝後にショーンさんは火災に気づいて飛び起きたが、すでに中は煙が充満して炎が上がっていた。

    視界を奪われた中、ショーンさんはザック君とハーレイ君の腕を掴んで安全な場所へと連れだした。ところが外に出て息子2人の姿を確認しようとしたショーンさんは、青ざめることとなった。なんと片手にハーレイ君の腕、そしてもう片手に彼の脚を掴んでいたのだ。

    息子2人を救ったものと思ったショーンさんだが、残念なことにザック君をトレーラーハウスの中に置いてきたままだということに気づいた。すぐにトレーラーハウスに戻ろうとしたが、時すでに遅く炎は勢いを増しておりザック君を救うことができなかった。

    のちに消火にあたった消防隊と警察によってザック君の遺体が確認され、ザック君の死が自宅にいたエリンさんに伝えられた。エリンさんはショックで地面に崩れ落ちるように倒れ、泣き叫んだそうだ。

    一方でハーレイ君とショーンさんは火傷を負っていたことから病院に搬送された。ハーレイ君の火傷は重症で一時期は昏睡状態に陥り、医師から「生存できる可能性は少ない」と言われたという。

    しかし幸いにもハーレイ君は治療の甲斐あって、命を落とす危険は無くなった。そのハーレイ君は、意識が戻った後すぐに「ザックが死んじゃった」とつぶやいたそうで、エリンさんは非常に胸が痛くなる思いがしたと明かしている。

    今回の火災は警察の調べにより、偶発的に発生したものとして処理された。気持ちの整理がつかない様子のエリンさんだったが、順調に回復しているハーレイ君の元気な姿を見て励まされているという。

    画像は『Mirror 2020年10月21日付「Dad thought he’d saved both sons, 3 and 4, from caravan fire – but had only grabbed one」(Image: Erin Harvey / SWNS.COM)』のスクリーンショット
    (TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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     ペルーに存在する奇妙な遺跡「ナスカの地上絵」。チリのパンパ=コロラダ、パンパ=インヘニオという盆地に存在するもので、幾何学的な図形や動植物をかたどった巨大な絵が描かれているというもの。近年はドローンやAI技術の発展により、これまで知られていなかった図像が発見されて注目を集めている。2010年代には山形大学文学部の坂井正人教授を中心とする研究グループナスカ大地南部でこれまで未発見だった地上絵を多数発見している。

     ​>>新たに143点発見 不思議な巨大絵「ナスカの地上絵」<<​​​

     そして先日、ペルーの文化省が新たな地上絵が発見されたと発表した。問題の地上絵は丘の斜面に描かれていたもので、右側に顔、左側に体が伸びているネコ科の生物をかたどったものと考えられている。制作された時期は約2000年前で、ペルー文化省で地上絵保護を担当するジョニー・イスラ氏によれば、他の地上絵より早い時期に描かれたものとのこと。今回の地上絵は急斜面に描かれており、浸食を受けやすい地形に存在していたこともあって、ほとんど消えかけていたという。クリーニングと保存作業の結果、これまでにないテイスト地上絵明らかになったというわけだ。

     現在「ナスカの地上絵」と呼ばれている大半の地上絵は、アンデス文明でナスカ文化が栄えた紀元200~同700年の間に作られたものだ。しかし今回発見された地上絵アンデス文明形成期のパラカス時代に当たる、紀元前500年から紀元200年に描かれたものとされている。実際、パラカス時代の織物などには地上絵と似たネコや鳥、人間の絵柄が登場しているそうで、地上絵の図像とも類似しているという。

     パラカス文化はナスカ文化に大きな影響を与えたとされており、ナスカの地上絵もパラカス文化からさらに発展して形成されたものとみられているようだ。後年のナスカ文化になって、地上絵がより大規模に、図像もより幾何学的で精緻なものになっていったのではと考えられている。同じ地上絵でも、我々の知る地上絵とかなり絵柄のタッチが違うのは制作時期が大きく関係していると考えてよさそうだ。

     なお、今回の地上絵があまりにもゆるいタッチだったため、ニュースが流れてからネットで大人気となり、子どもの絵かと思った」「あまりの絵柄にフェイクニュースかと思った」という感想が流れた。また、フリー素材サイト「いらすとや」には翌日、さっそく地上絵イラスト素材が登場。 

     「仕事が早い」と話題にもなっている。今後、同様に古い地上絵が発見される可能性もある。今度はどんな地上絵がお目見えするのだろうか。

    (山口敏太郎)
    参考URL
    https://news.yahoo.co.jp/articles/62006069e9a22fd74b125288b7bf4f56121c5d4d
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    pkproject / PIXTA(ピクスタ)

    ◆若年失業率40%超の衝撃
     EU統計局(Eurostat)による8月の統計として、スペインメディアが一斉に報じたのは、スペインの25歳までの若者の失業率がなんと43.9%になるということだった。この統計だと、若者の二人にほぼ一人が失業しているということになる。

     スペインに次ぐ国はイタリアで、それにギリシャが続いている。昨年のこの比率は30.3%だったということで、ギリシャがそれを上回っていた。
     ヨーロッパで最も優等生の国ドイツのそれは僅か5.8%、EUの同年齢までの平均失業率は17.6%とだという。(参照:『20minutos』)

     なぜ、これほどまでにスペインで失業率が高いのか。その要因となるものを以下にまず列記して、その後詳しく説明することにする。

    ① 年間を通して安定した職場がない。
    ② 経営者が人を雇うのに短期の採用を好む傾向にある。長期間の雇用を避けようとする。
    ③ 大卒でも特殊技能の分野で優秀な成績を収めた学生やアイディア豊富な学生は職場が見つかるが、単に大学を卒業したというだけでは職場はない。
    ④ スペイン企業の95%は従業員が10人以下の企業だということ。

     詳細を説明する前に、スペインの就労人口について触れたい。スペイン社会保障費を納めている労働者の現在の就労人口は1880万人。失業者は378万人。この二つの数字を足した労働人口は2260万人となる。スペイン人口4600万人。そこから割り出す全体の失業率は16.7%ということになる。(参照:『20minutos』)

     1990年から現在まで失業率が10%以下になったのは唯一2005年から2007年までの3年間で、その時の失業率は平均8.5%であった。この時期のスペインは住宅建設ブームヨーロッパの英国、ドイツフランスで建設される住宅を合わせた数の住宅がスペインで建設されていた。それが崩壊した2012年2013年の失業率は25%まで上昇した。

     これまでスペインで柱になっていた産業は建設業と観光業の二つだけである。バブル景気の時はGDPの24%が建設業と観光業で占めていた。そしてバブルが崩壊して、唯一スペインの産業で最大の貢献をしているのは観光業だけということになった。現在観光業がGDPに占める割合は12%である。

    ◆年間を通して安定した職場がないスペイン
     ということで、先述したリストに挙げた①について先ず言及することにする。

     観光業というのは時期的なものに影響される。現在のスペインは世界ランキングで2位で、昨年は8300万人の外国からの訪問客があった。ランキング1位のフランスとの昨年の差は僅か500万人だった。

     スペインの観光シーズンは3月頃から始まって10月頃に終了する。雇用が増えるのが正にこの観光シーズン中だけである。観光業の雇用人口は労働人口の12%。観光シーズンが終わるとそこで働いていた被雇用者の大半は失業者となる。それ以外の職場を観光シーズンオフに見つけることは容易ではない。

     例えば、筆者が在住している町では周囲はオレンジ畑に囲まれており、観光業のシーズンオフにオレンジ狩りでアルバイト的に働くことはできる。しかし、これもほんの一部の労働者にしか割り当てはない。いずれにしても、観光シーズンが終了すると失業者が増えるのは例年のことである。
     社会保障費を払わない地下経済と呼ばれている職場を探して働くことも可能性としてはある。しかし、このコロナパンデミックで地下経済も職場がなくなっている。

     パンデミックの前までは失業手当をもらってその陰で地下経済で働いていたという人もいたが、地下経済の崩壊でそれも容易ではなくなっている。地下経済で十分に仕事があった時期はスペインの実際の失業率は公式のそれから2%くらい少ないと言われていた。地下経済で働くと社会保障費を納めていないので失業者として統計に出てこないからである。

     スペインの雇用問題のひとつはスペインGDPの柱になっている観光業では年間を通して安定した職場がないということである。

    ◆長期雇用を嫌う経営者たち
     次に②について述べると、スペインの企業経営者の間で一般に短期で雇用するのを好む傾向がある。ひどい場合は1週間単位の雇用契約というのもある。理由は被雇用者の社会保障費など、人を雇うことによって発生する会社が負担する経費を最小限にとどめたいという意向を経営者がもっているからである。ひとり雇うと会社側が負担する費用は支給する給与のおよそ3割だ。また、長期の雇用を経営者が嫌うのは、会社が不況になって被雇用者を解雇したい場合に解雇保補償金の負担をできるだけ少なくしたいからである。被雇用者が会社で長く勤務すればするほど解雇する場合の被雇用者への解雇保証金の負担が大きくなる。

     だから経営者の中には会社負担を軽減させるために自営業者を雇う傾向にある。自営業者というのは本人が社会保障費や自営業者が負担する税金を払っているということ。会社側で彼らを雇えば会社が負担する費用はなくなる。スペインで企業の営業マンの多くは自営業者である。だから会社側は彼らの売り上げに対して一定比率でコミッションを支払うだけでよい。

     これで最近問題になったのは料理された食事を宅配する人と料理を作る業者との関係である。料理を作る業者は宅配サービスをする人を自営業者として契約していた。しかし、この場合お客から注文を取るのは料理を作る業者で宅配する人は飽くまで作られた料理を宅配するだけ。それは経営者と被雇用者という関係であって、宅配する人を自営業者とみなすことはできないという判決がつい最近下されたのである。採決通りになると、雇用者が被雇用者の社会保障費などを今後負担する必要が出て来る。雇用側がこの判決を不服として上訴するかもしれない。

    ◆大卒でも職にあぶれる社会
     そして、③の大卒でも職場長い点について見ていこう。
     スペインには公立と私立の大学合わせて82校ある。日本の大学のように就職シーズンになると会社側で求人行広告をするといったようなことはない。また、企業が大卒で唯一関心のあるのは専門分野で優秀な成績を収めた学生かアイディアを持っている学生だけである。というのは企業は大卒者に即戦力を求めるからである。雇用して職場で初歩から色々を教えて行くというような余裕は企業には経済的にも時間的にもない。また卒業してすぐに働ける可能性があるのは父親の会社に勤務するとかいった縁故がある学生である。

     高卒などになると職場を見つけるのはかなり難しくなる。スペインで25歳までの若者は650万人いるとされている。ということで、その半分の300万人の若者に職場がないということである。勿論、その中には大卒も多くいる。

    ◆95%が従業員が10人以下の小企業
     ④で指摘しているように、スペイン企業のほとんどが小企業である。小企業であるが故に財務的にも脆い。仮に、新規採用をするとなっても一人とか多くて二人といったところだ。

     スペインに存在している企業数はおよそ290万社。その内の95%が従業員が10人以下の小企業である。
     今回のコロナパンデミックで脆に影響を受けたのはこれらの小規模な企業である。パンデミックで封鎖が実施されて売上がなくなると経営を続けられなくなるという企業だ。

     コロナパンデミックでこれまでおよそ大企業を含め20万社が市場から姿を消した。これも若者を含めた被雇用者が職場を失った要因になっている。

     また、スペインは起業精神に欠ける面もある。OECDの中でスペインの下に来るのはブルガリアだけである。それだけ企業を誕生させる意欲が少ないということだ。但し、問題もある。スペインでは企業を築くのに行政上の手続きや資金面での融通が企業を創設するのに容易でない面もある。

     スペインで雇用を創出するには企業数を増やすことしかない。その為にも、現在の観光業に依存した経済だけでは発展に限りがある。残念ながら新しい国家プロジェクトスペインには存在しない。ということで、今後も失業問題からスペインが解放されることはないであろう。

     もちろん、これはスペインに限った話ではない。イノベーション精神に欠けた企業・社会の構造。新人育成をする余裕もなくなり、正規雇用を嫌うばかり。最後の頼みの綱は「インバウンド」……。日本も決して「他人事」ではないのである。

    <文/白石和幸>

    【白石和幸】
    しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント1973年スペインバレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身

    pkproject / PIXTA(ピクスタ)


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     9月28日、私が代表を務めるインデックスコンサルティングと私が関係する3社団法人(注)が主催・協賛し、フランスの思想家・経済学者ジャックアタリ氏を招いたオンラインシンポジウムを開催しました。

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     注:一般社団法人建設プロジェクト運営方式協議会一般社団法人環境未来フォーラム一般社団法人PPP推進支援機構

     新型コロナウイルスの感染拡大によってわれわれの日常は一変しました。ロックダウンによって経済は止まり、「三密」、言い換えれば賑わいを前提としたビジネスは修正を余儀なくされています。ウィズコロナ、あるいはアフターコロナの時代に働き方やコミュニティビジネス、国際情勢はどのように変わるのか。それに対するアタリ氏の視座を幅広く共有すべく、アタリ氏の講演録を公開したいと思います。

     願わくば、アタリ氏とその後のシンポジウムの話を聞いて、感染症と共存する時代に地球規模の課題にどう立ち向かうか、それぞれが考えていただければと思います。それでは2回目をどうぞ(1回目はこちら)。(インデックスコンサルティング代表取締役、植村公一)

    コロナ危機で国力を落とす米国と中国

     今回の危機が地政学や人々の考え、科学技術におよぼす影響は計り知れないと思います。まず、地政学的な影響に関する私の見方を述べます。私は、これまでに確認できる2つの傾向が加速すると睨んでいます。

     一つめの傾向は、米国の国力が相対的に低下するということ。そして、もう一つの傾向は、米国が国際舞台の中央から退き、自国内に山積する問題の解決に専念するようになるということです。

     今回の危機によって、米国では社会の深刻な貧困や世帯の過剰債務、数百万人の路上生活者の存在が明らかになりました。老朽化したインフラ設備と脆弱な社会保障制度も、米国が内政に専念しなければならない要因です。

     次に、中国に関してですが、一般的な見方とは反対に、私はこの危機によって中国の力は弱まると考えています。

    中国が超大国になれない理由

     第一の理由として、中国政府に対する国際的な信頼は失われたということを指摘しようと思います。というのは、今回の世界的な危機に責任を負う中国は、世界に対して真実を隠したからです。

     もう一つの理由として、人口の高齢化が進む中国では、社会保障制度が充実していないことが挙げられます。

     日本やヨーロッパ諸国などの裕福な国で暮らす国民の老後とは異なり、貧しい国や社会保障制度のない国で暮らす国民の老後はきわめて悲惨です。こうした事態こそが、現在、中国で起こりつつあることです。

     また、中国経済は内需拡大を再起動させることができないと思います。頼みの綱は外需ですが、先ほど述べたように、外需がすぐに回復する見込みはありません。

     したがって、私は中国がこの危機の勝者になるとは思いません。むしろ反対に、中国はこの危機の犠牲者になる。もちろん将来的に中国が大国になるのは間違ありませんが、私は中国がアメリカに代わる超大国になるとは思いません。

    欧州が米国から自立すれば超大国の候補だが

     歴史を振り返ると、資本主義リーダーとしての超大国の座は18世紀末オランダから英国へ、そして20世紀初頭に英国から米国へと移りました。

     中国が超大国になれない理由は、先ほど述べた理由に加えて、中国社会の文化的な特徴に原因があるからです。

     中国社会の第一目的は、国内を支配することであって世界を統治することではありません。今後、中国はアメリカと同様、ますます内政に専念することになるでしょう。

     米国と中国という二つの大国の勢力の低下は、世界にとってきわめて危険な兆候です。これは史上初の超大国なき資本主義世界と言えます。米国は超大国になりたくてもその役割を果たせない一方、中国はそもそも超大国になるつもりがない。仮にあったとしても、超大国にはなれないでしょう。

     では、ヨーロッパはどうか。現在の最大勢力であるヨーロッパが超大国になることはあり得るのでしょうか。ヨーロッパ人の生活水準は世界一です。もちろん、日本が超大国になることも考えられる。

     ただ、それなりの軍事力をもたない限り、超大国になることはできません。超大国には軍事力が必要です。日本が軍事大国になることができなかったのと同様に、ヨーロッパが軍事大国になることはきわめて困難だと思います。

     ヨーロッパが「われわれヨーロッパ人は誰も頼りにすることができない。アメリカがわれわれを守ってくれることなどあり得ない」と悟るのなら、話は別です。

     ヨーロッパがこのような悟りを開くのなら、ヨーロッパは充分な予算、本格的な政府、優秀な軍隊、経済発展を実現できるはずです。でも、そこまでに至る道のりは長い。いずれにせよ、ヨーロッパが21世紀の超大国の候補であることは間違いありません。

    あと数年もすればGAFAMの解体は不可能に

     21世紀は国ではなく、企業が超大国の役割を果たすのかもしれません。市場経済が世界規模になる一方で、国際法の整備は進んでいない。そのため、世界規模で活動する大企業が政府よりも力をもつことは充分に考えられます。

     こうした傾向は、アメリカの巨大IT企業、GAFAM(グーグルアップルフェイスブックアマゾンマイクロソフト)や一部の中国企業において、すでに確認できます。

     今日、アメリカヨーロッパ、そして中国の政府は、自国企業を制御する力をまだ持っています。ただ、現在はまさに転換点にあり、あと数年もすればアメリカ政府がGAFAMを解体することは不可能になります。国は、自分たちよりも強靭になるこれらの企業の力を削ぎ落すことができなくなるのです。

     もしそうなれば、これらの企業は世界のリーダーになり、国に代わって世界を支配するようになるでしょう。今日、これらの企業はすでにそうした力を持っていますが、国は立法権を武器にして何とかこれらの企業を制御している状態です。

    世界はエネルギー経済から情報経済に

     これらの企業はいかにして巨大な力を手にすることができたのでしょうか。その主な理由は、エネルギー経済から情報経済への移行が一般に思われている以上の速さで進行したからです。

     私が40年前から力説してきたように、エネルギー経済に代わり、情報経済が台頭する時代がついに訪れたのです。その理由は、ご存じのようにエネルギーが気候変動に深刻な影響をおよぼすからであり、情報分野においてすさまじい技術進歩があったからです。

     現在の経済活動において情報は必要不可欠です。よって、インターネットやAIを駆使して情報を操作する技術を生み出す企業は莫大な権力を手にしました。黎明期にあるこれらの技術は、すでにわれわれのコミュニケーションや製造業の生産工程に著しい影響をおよぼしています。

     私は、GAFAMをはじめとする情報技術やAIをつくる企業が明日の勝者になると確信しています。将来、これらの企業は巨大な権力を手中に収めるでしょう。

    テレワークは企業の味方か?

     さきほど述べたように、今回の危機は、すでに起こりつつあった数々の変化を加速させる促進剤です。この促進剤は地政学的な変化も加速させます。今回の危機は、アメリカと中国の衰退を引き起こしたのではなく加速させたのです。人口の高齢化、そして情報技術を担う企業が権力を握るという傾向も同様です。

     巨大IT企業がこれまで以上に躍進するようになった理由として、今回の危機が始まった直後から人々の働き方が情報技術によって大きく変化したことが挙げられます。現在では多くの人々がテレワークで働けると考えています。テレワークは特別な働き方ではなくなりました。

     先進国では、サービス業だけでなく製造業においても50%近くの就業者がテレワークで働くようになるのではないでしょうか。そのためには、情報インフラの拡充と同時に、企業形態を抜本的に変化させる必要があります。企業風土の変化もかなり以前からあった傾向です。すなわち、全員が自宅で一匹狼となって働くという、個人主義の台頭です。

     一般的に、市場経済では孤独、個人主義、利己主義が有利に働きます。一方で企業は孤独を好む人々の集まりではありません。テレワークを推進し過ぎると、社員の忠誠心にばらつきが生じ、さらには忠誠心そのものが失われることが考えられます。そうなれば、社員は会社への帰属意識と共通のプロジェクトに対する意欲を失うでしょう。この共通のプロジェクトこそが会社の推進力なのに。

     情報技術テレワークの推進に大いに役立つと同時に、共通のプロジェクトをつくり出す集団を解体する恐れのあ諸刃の剣と言えます。ビデオ会議によって、会社の会議室での生の議論と同じレベルの独創力を生み出そうとするのもかなり難しいでしょう。

     私は、企業内において最も重要な場はコーヒーマシーンの前やカフェテリアだと考えています。役職に関係なく社員が偶然に出会う場でこそ、独創性が生じるのです。企業はテレワークによって失われる部分を補填しながら労働組織に新たな均衡を見出さなければなりません。

     情報技術の拙速な導入には危険がともなうという事実は、労働だけでなく、個人の暮らし、ビジネス、流通にも当てはまります。医療や教育などにおいても遠隔化が進み、情報技術はこれまで以上に大きな力をもつようになるでしょう。(3回目に続く)

    (翻訳:林昌宏)

    インデックスコンサルティングについて

     インデックスコンサルティングは、建築プロジェクトマネジメントを本業にしたコンサルティングファームです。企業や学校、病院などが施設を新設したり、改修したりする際に発注者サイドに立ってスケジュールコスト、品質などが当初予定通りに進んでいるかをチェックする専門家集団です。

     建築プロジェクトはゼネコンや設計会社に丸投げするケースがいまだ多く、予算超過やスケジュール遅れになる場合が少なくありません。そういったことが起きないように、また起きてしまった場合は正常化すべく、発注者の代理人としてプロジェクトを管理することを生業にしています。「建築プロジェクトの駆け込み寺」として、これまで数多くのプロジェクトを正しい軌道に戻してきた実績がありますので、お困りの際はご連絡ください。

     また、最近は国内外における社会インフラPPP(Public Private Initiative:官民連携)プロジェクトの組成もビジネスの柱に育ちつつあります。新興国や途上国が有料道路や上下水道などを整備する場合、民間資金を活用するケースが増えています。コンセッション(運営権を一定期間、民間コンソーシアムに売却するPPPの一手法)が可能なプロジェクトのタネを見つけ、企業が参画できるプロジェクトに仕上げるという仕事です。

     私が愛知県の政策顧問として愛知県国際展示場のコンセッションに関わったご縁で、国際展示場の運営権を取った世界最大のイベント会社である仏GLイベンツや、フランスが世界に誇るインキュベーション施設「ステーションF」などとの関係が生まれました。そういった関係が、アタリ氏によるシンポジウムという企画につながっています。

     また、今回のシンポジウムを主催した3社団法人についても簡単に説明します。

     一般社団法人建設プロジェクト運営方式協議会は、建設プロジェクトの多様な運営方式の普及と、プロジェクトを担う発注者サイドの人材育成を目指す協議会です。従来、日本の公共工事では設計と施工が分かれた分離発注が一般的でしたが、ゼネコンに設計と施工を一括して発注するデザインビルドや専門工事などの原価を開示するオープンブック方式など、発注方式が多様化しており、プロジェクトごとに最適な発注方式を選択することがコストや品質を管理する上で重要です。建設発注でお困りの企業・自治体の方は、当協議会にご連絡ください。

     一般社団法人環境未来フォーラムは、低炭素循環型のコンパクト街づくりを官民連携で進めるために調査・研究を行い、地方自治体や省庁などの関係機関に提言するプラットフォームを目指して活動する組織です。現在は水循環やスマートシティに対する政策提言なども行っています。法人・個人とも会員を広く募っています。

     一般社団法人PPP推進支援機構は、海外のPPP(Public Private Partnership:官民連携)プロジェクトで案件を獲得するためのプラットフォームというべき存在です。有料道路など海外PPPを手がけるには、事業化にふさわしいプロジェクトの抽出と相手国政府などとの連携が欠かせません。当機構では、こういったプロジェクトのスクリーニングや交渉のサポートなどを手がけています。海外の社会インフラPPPに進出したいというニーズのある企業は是非ご連絡ください。

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  コロナとは、すなわち「死」を忘れた現代人への警告

    [関連記事]

    女性蔑視と学歴社会を露呈した最高裁判事の指名承認

    大統領選の敗北で現実味を帯びるトランプ焦土作戦

    あと数年もすれば、国家はGAFAMを制御できなくなるとアタリ氏は語る。写真はアマゾンのジェフ・ベゾスCEO(写真:AP/アフロ)


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     11月3日アメリカ大統領選挙まであと2週間。劣勢が伝えられているトランプ大統領バイデン氏に対して批判を強める中、選挙をめぐって別の事件も起きている。

     アメリカ大統領選を前に、劣勢に立たされているトランプ大統領。焦りからか、バイデン氏への批判もヒートアップ。小さな“言い間違い”も攻撃の対象になっている。

    バイデンは正常ではない。もう終わっている」
    バイデン氏は2日前『上院議員選挙に出馬する』と言い間違えた。『オハイオの皆さん ご一緒できて光栄です』と(バイデン氏が)言ったら、『ここはアリゾナ州だ』と言われていた。これを8回やらかしている」
    「(バイデン氏は)史上最悪の候補」
    「不正まみれ。頭もよくない。落ちぶれている」

     トランプ氏が“口撃”を強める中、18日にはカリフォルニア州大統領選の公式投票箱が放火される事件が起きた。最大100人分の投票用紙が燃えたとされ、カリフォルニア州では、共和党が独自に非公式の投票箱を設置するなど、投票をめぐる混乱が続いている。

    【映像】燃えている大統領選の投票箱 カリフォルニア州(1分20秒ごろ~)

     火種がくすぶる今回の大統領選。批判を強めるトランプ氏の一方、一部の調査ではバイデン氏がトランプ氏に8.9ポイントリードしているという結果が出た。

     ニュース番組「ABEMAヒルズ」のコメンテーターニューウィーク日本版編集長の長岡義博氏はトランプ氏の現在の支持率について「(バイデン氏と)大きく開いている」と指摘。「これまでの選挙取材の経験で言うと、10ポイント近く離れていることはマラソンでいうと100メートル近く離されている感覚に近い。ここから逆転するのは相当大変なのでは」と語る。その上でトランプ氏の“勝利シナリオ”として、3つ展開が考えられるという。

    「1つ目は前回の大統領選挙で実際に起きた現象で、隠れトランプ支持者が投票日に大量に現れる可能性。前回は世論調査トランプ氏を支持していると答えない人がトランプ氏に投票し、ヒラリー・クリントン氏に大逆転した。しかし前回は接戦で、“隠れトランプ支持者”が状況をひっくり返す鍵になったが、今回ここまで離れていると仮に“隠れトランプ支持者”がいたとしても、どれだけ結果に影響するのか」

     第2に、たとえトランプ氏が負けたとしても“敗北宣言”をしない可能性も考えられるという。

    トランプ氏は『自分が負けたら結果を受け入れるか』と聞かれても、言葉を濁し続けている。実はアメリカ大統領選では勝利宣言よりも敗北宣言の方が大事。どちらかが敗北宣言して初めて、結果が確定する。(負けたとしても)トランプ氏が敗北宣言をしない可能性もある。しかし、大きな差が開いたとき、大統領が選挙結果を認めないことをアメリカ社会および国際社会が受け入れるかどうか。前回の討論会でも、トランプ氏が白人至上主義者に『下がって待機しろ』と呼びかけて物議を醸した。(トランプ氏が負けて)白人至上主義者が武器を持って暴動を起こす可能性もあるが、現実にはより大きな武力を持つ警察や軍もいるから鎮圧されるだろう」

     第3のシナリオとして、郵便投票の不正を疑っているトランプ氏が「実際に不正捜査を命じる可能性もある」と長岡氏は示唆する。

    「郵便投票にトランプ氏は難癖をつけ続けている。その場合のシナリオはこうだ。開票時にトランプ氏が郵便投票の不正を訴え、司法省に激戦州の不正捜査を命じる。大統領選は11月3日だが、次に大切なのは12月14日アメリカ大統領選は直接投票ではなく、大統領に投票する選挙人を選ぶ選挙。選挙人が投票するのが12月14日で、この日までに捜査が終わらないと、激戦州は票が確定しない。確定しないと激戦州の投票人が投票に参加できない状況になり、トランプ氏、バイデン氏共に選挙人の選挙で過半数を確定できない状況になる」

     選挙人選挙で大統領が決まらないとき、アメリカでは憲法修正第12条の規定により、連邦下院の投票に委ねられる。

    「下院の現状は民主党有利だが、憲法修正12条の規定ではこの場合一人一票ではなく、州ごとの投票になる(各州1票制)。共和党過半数の州が26、民主党過半数の州が23。同数のペンシルベニア州がバイデン氏に投票しても26対24で、トランプ氏が逆転する可能性もある。そしてこれは合法なので誰も文句がつけられない」

     トランプ氏の勝利確率について「現状から逆転するのはなかなか難しい」とした上で「30%」と述べた長岡氏。日本時間の10月23日には投票前の最後の討論会が行われる。

    ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)
    逆転確率は30%? 劣勢トランプ氏の“勝利シナリオ” 不正捜査を命じる可能性も


    (出典 news.nicovideo.jp)


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     大統領選挙まであと約2週間。日本のメディアは概ねバイデン勝利を示唆する内容になりつつある。それは良しとして、この半年の日本人の米国評を見ていると、あまりにも「自分は米国をよく知っているぞ」と言わんばかりのものが少なくない。

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     養老孟司氏が『バカの壁』を上梓してから17年半が経つが、日本人の「わかっているつもり」になる習性は今も変わらないらしい。しかし、それでは判断を間違うリスクがある。

     米国に関連しての日本一の「バカの壁」は、ハワイ・真珠湾で米太平洋艦隊を完膚なきまでに叩きのめせば米国から早期講和を求めてくると考えた山本五十六連合艦隊司令長官ではないだろうか。事実は真逆で、クリスマス前のホリデー気分でいた米国人のヤンキー魂に火をつけ、最後は原爆投下という悲劇まで生み出してしまっている。

    「バカの壁」は欧州その他の地域に対しても同じだと感じるが、本稿では、筆者も自省の念を込めて、まず米国への論評について考えてみたい。

    米国を「わかっているつもり」の5パターン

     メディアオンライン化して、記者を職業とする人以外にも論考を発表できるようになった。またSNSでは匿名で意見を発信できるようになり、我々が手にする情報は爆発的に増えた。2016年米国大統領選挙では、SNSが虚偽の情報を確認しないまま拡散したと問題にまでなった。しかし、これもまた米国の現実を知る情報である。鑑識眼さえあれば、ほぼ無限に近いほど視野が拡がる時代となった印象を受ける。

     米国のメディア情報は英語で書かれているため、どうしても日本のメディアや一般寄稿者が書いた日本語のものに目が行ってしまう。ところが、注意深く日本語情報を読んでいると、「わかっているつもり」のレベルが酷すぎるものが少なくない。中には全くとんちんかんなものもある。しかも、これらの論考には、それを正当化するための5つのパターンがあることに気付かされる。

     それは、(1)放送法が中立性の堅持を求めている日本と事情が異なるのに、米国メディアが取り上げたままを日本語にした記事(引用元を載せていないものもある)、(2)匿名の専門家に語らせる記事(本名の出せない記事は嘘と考えるのが基本)、(3)専門とは無関係な有名人に自分の書きたいことを語らせている記事(例えば、経済学者が感染症学を語るなど)、(4)自分の知り合いの声や論文を纏めたような記事(単なる1グループの意見にしか過ぎない)、(5)受け狙いとしか思えない記事(米国人はマスクをしないのが常など)である。

     日本人は、第三者的な立場で冷静に米国を見つめることができる立場にいるのに、論考自体はいずれも第三者的視点を欠いている印象で、情報の偏りを招いている。中でも、自分達の意見を強化するために古い情報をあたかも現在のことのように書いていたり、日本人が読みたい内容に仕上げたものもある。また、木を見て森を見ず的に、全体の流れに合わせるために注力しすぎて本質を見ていないものも少なくない。一番困るのは、取り上げる事象の性格や歴史的経緯も調べずに、一つの事実だけに注目して議論を展開するものである。

     米国は日本の同盟国であり、第2の貿易相手国である。このため、この手の論考は日本の国益に影響する可能性があるのだが、恐らく、書き手はそんなことは全く気にしていないだろう。書き手も読み手も、日本人の多くは米国のことは自分に関係ないと考えているので、話題性があり面白ければ良いという感覚で、この偏りを無条件に受け入れてしまう印象がある。

     結局、ジャーナリストが持つべき正義感や信条、識見というものが低下しているのかもしれないし、一般の寄稿者には情報発信者に必要なリテラシーがほとんどないということなのではないか。

    日本人の「バカの壁」の最新事例

     ここでは、米国についての「バカの壁」を5つ紹介する。ただし、上述の5つのパターンとそれぞれとの関係はない。

    【具体例1】:ハンター氏(バイデン候補の次男)の不正問題はジャーナリズムの危機

     ハンター氏のパソコンからウクライナおよび中国の企業幹部を父親(当時のバイデンは副大統領)に会わせるなど、便宜を図って高額な報酬を受け取っていたとするニューヨークポスト(NP)の記事が一面で出たが、FacebookTwitterから情報源に問題ありとして、転送停止などの措置を取られたことの報道がある。

     この何が問題かといえば、大手SNS2社がジャーナリズムに対して影響力を行使している点だ。NPはニューヨークで最も歴史が長く、販売部数も多い中立の大衆紙だ。その新聞社が組織的に判断して一面に掲載した記事に対して、SNS企業が取り扱い制限を加えたことは、AI(人工知能)の賜物とかいう話ではなく、単に巨大情報企業経営者の個人的嗜好がジャーナリズムに挑戦しているに過ぎない。

     日本のメディアにとっても明日は我が身である。しかも、この2社はアンチトランプを公言しており、むしろ中立性が疑わしい。SNSはあらゆる面でアルゴリズムの活用が進んでいるが、アルゴリズムの改竄によりいくらでも偏りあるものにできる。

     ちなみに、2019年7月にニューヨークタイムズが出したトランプ大統領の電話記録(ウクライナのゼレンスキー大統領に対して、武器供与の条件として選挙のライバルであるバイデン候補の調査を求めたという疑惑)は、情報源が共和党議員に公開されないままに大統領弾劾裁判までなった(今も不明)。しかも、収賄側の事実無根との主張を無視した贈賄罪の追及であった。愚かとしか言いようがない。

     この時、大手SNS2社は転送制限などを加えていない。今回との扱いの違いが甚だしい。

     なお、今回は贈収賄事件ではない。ハンター氏はロビイスト登録がないのに海外企業またはその希望を米政府関係者につないだというロビー活動に関する法違反である。事実確認は容易であり、これは2017年に、同様の容疑でマイケル・フリン元大統領補佐官を問題発覚とほぼ同時に逮捕したのとは大きな違いだ。

     日本で流布されている米国関連記事は、こうした分析の鍵には全く触れていない。なお、このフリン氏については、FBIが容疑を認めないと家族に害が及ぶと脅した、とのおまけまでついている。

    「合衆国」の意味を本当に理解しているか?

    【具体例2】:米国の民主主義制度に対する批判は的外れ

     米国では、投票したい人は選挙登録をし、投票結果は間接選挙制に基づき州ごとのルールで選挙人が選ばれる。これを、日本のような全国画一のルールとし、18歳以上の日本国民全てに投票案内が来るようにせよという主張がある。

     主張の根拠が間違っている。そもそも民主主義の形はその国々が自由に決めて良いもので、それを他国民が実情や歴史を理解しないままに指摘する問題ではない。米国は地方自治の強い国で、州が連邦政府に外交などを任せているとの形なので州ごとの違いは当然。州によっては国からの独立手続きを持っているところもある。

     一方、日本で18歳になると自動的に投票案内が地方自治体から送られてくるのは、住民登録制度があるからだが、一票の重みについては米国の方が国勢調査ごとに修正している点を見逃してはならない。また、これらの日米での違いは投票率の差に有意な違いを与えていない。

     これは、米国人が、日本の公務員には天皇陛下による任官を受ける人がいるが、これを勝手に権力の根源とする輩がいるから象徴天皇制を変えるべきだ、と言っているようなものだ。

    なぜペロシ下院議長にPCR検査を求めない?

    【具体例3】:トランプ大統領の病気の公表を求めたのであれば、バイデン候補も同様とすべき

     大統領であるトランプ氏のコロナ感染について公表を求めるのは正しいが、一方で公平性に欠けているように感じる。74歳と高齢のトランプ大統領が健康問題で執務を取れないリスクがあるなら、確かに大統領という激務には相応しくない。しかし、それなら、認知症の疑いなど健康上の問題が噂されるバイデン候補も医師の診断書を公開すべきだと指摘するのが中立なやり方で、日本を含めた海外メディアに期待されるところではないだろうか。

     CNNニュースキャスターの一人は、トランプ大統領の病気に関するコメントを感染症医師ではない人々と何度も議論してきたが、バイデン候補の認知症についてのコメントが出た瞬間に、「我々は医師ではない」として話を止めてしまった。

     そもそも、バイデン候補は、脳神経に関する病気を二度患ったことを認めている。また、共和党の議員に対するPCR検査の結果を公表せよというのであれば、民主党議員にも求めるべきだろう。これも、海外メディアゆえの中立的な立場だからできることではないだろうか。

     ペロシ下院議長は、8月にサンフランシスコの美容院に行き、そこでマスクをしなかったというビデオが公開された。この美容院のオーナーはペロシ下院議長の要請でお店を開けたのだが、逆に同議長から「はめられた」と発表され、甚大な営業被害を受けた。テレビで泣いて訴えていた。

     この経緯とともに、同議長を含む全議員にPCR検査を求めるというのもあるべき論のような気がする。彼女はPCR検査自体を拒否している。

    お手盛りだったバイデン陣営のタウンホール

    【具体例4】:タウンホールは司会者がトランプ大統領を痛めつける場ではない

     10月15日に予定されていた第2回大統領候補TV討論会が中止された穴を埋めるため、両候補は同じ時間帯でタウンホールを開いた。タウンホールとは会場からの質問に大統領候補が答える形式のものだ。ここで、トランプ側のタウンホールの女性司会者が大統領の白人優先主義を認めさせたと「してやったり」いう報道が出た。

     ところが、重要なことはそれではない。そもそも1時間のタウンホール一般国民大統領候補への直接の質問をできる機会を作ったにもかかわらず、その司会者が20分(全時間の3分の1)もの時間を独占した結果、予定した質問者がカットされたことの方が問題である。

     大切なタウンホールが邪魔されたことについての指摘が全くない。

     この件は、女性司会者が一般市民を馬鹿にしているから起こったことであるうえ、この司会者の夫は民主党で働いてきた人間なので、この20分間の論調がトランプ批判になったのは当然だとも言える。不自然であった。

     なお、バイデン候補のタウンホールの司会者は、オバマ大統領のスピーチライターで、質問者の中で投票相手を決めていないとの紹介があった人も、実は仕事が民主党のことをやっていた。お手盛りだったことへの調査と報道をすべきだろう。

    急速に治安が悪化しているニューヨーク

    【具体例5】:全米主要都市の治安の悪化問題に触れないのはなぜか

     10月に入り、ニューヨーク市警が「アジア人・ヘイトクライム・フォース(AHCF)」を組成した。米中問題の悪化で反中感情を持った市民ほかから、中国系のほか、日系、韓国系が被害を受けるケースが増えているのが理由だ。ニューヨーク市は2020年5月のフロイド事件以降、急速に治安が悪化している。そこにはコロナ禍への対応で囚人を開放したことの影響も出ている。

     同市は、今やジュリアーニ元市長が変革する前の犯罪の街に後戻りしてしまった。全米の主要都市、中でも北部の主要都市の治安悪化は著しい。黒人の差別撤廃を求めるデモというのは、現実には暴動の嵐で、そこには彼らの言う正義はない。それどころか、BLM(Black Lives Matter)の幹部は、様々な店舗からの略奪行為を、奴隷開始から400年間の借りを返してもらったのだと正当化している。これを報道しないと真実が伝わらない。

     一方、米国におけるアジア系に対する差別的な行為は、近年増加していた。例えば、ニューヨーク市の小・中学校では、成績優秀者の能力をさらに伸ばそうとする仕組みがあるが、昨年、それを成績ではなく人種割合で選ぶという形に変更した。アジア人の成績優秀者が多すぎることへのデブラシオ市長の反発だった。

     高等教育でも、ハーバード大学エール大学における合格者におけるアジア人比率を下げるというような問題が出てきており、裁判にもなっている。アジア人への態度の硬化は、米中対立の構図とは無関係に進んでいたのだ。

     こういった話を報じる日系メディアの報道は寡聞にしてほとんど聞かないが、米国における日系人を守る発想がないというのは正しいことなのだろうか。また、黒人差別は大問題ながら黒人による犯罪も問題である点を報道するというバランスが必要ではないのだろうか。

     9月27日日本人アニストの海野雅威氏が、ニューヨーク市内の地下鉄の駅で8人の若者に「チャイニーズ」と叫ばれて暴行を受けた。ピアニスト生命を脅かされるような大怪我だ。しかし、これについて正確に取り上げる報道を見たことはない。8人の若者の人種は何だったのかなどまで書かないと、現地に住む日本人は誰に対して警戒を高めればいいかがわからない。これは、人種差別問題ではなく、治安問題であり、日系人のリスク拡大の実情問題なのだ。

     このような問題は枚挙に暇がない。恐らく、「バカの壁」ではなく確信犯のことも少なくないだろう。しかし、それでは、米国の分析が不足していた大日本帝国の軍部が国を破滅に導いたのと同じリスクが生じかねない。

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    (出典 news.nicovideo.jp)


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