2020年パンデミックが人類を襲った。そして、世界最高権力者の首さえもすげ替えた――。

 大接戦となったアメリカ大統領選は11月7日民主党ジョー・バイデン前副大統領共和党ドナルド・トランプ大統領を破って勝利した。政権奪還を目指してきたバイデン氏は地元の東部デラウェア州で演説し、高らかに勝利宣言をした。民主党支持者が多い大都市のニューヨークや首都ワシントンなどでは、歓喜や歓声に包まれた。

 その一方、トランプ大統領は敗北を認めず、大統領選で不正行為があったとし、あくまで法廷闘争を続ける構えを見せている。

 バイデン氏は、ペンシルベニア州ジョージア州など激戦州で最後の最後までトランプ氏と争い、地滑り的勝利を収めたとはとても言い難い。バイデン氏の得票数は9日までに史上最多の7500万票を超えたものの、トランプ氏も7100万票以上を得票した。全米の総得票数で相手候補を上回っても選挙人数で負けることがあるだけに、予断を許さない状況だった。現に前回2016年大統領選でも、ヒラリー・クリントン氏の票がトランプ氏より286万票上回っていた。

トランプが負けたのはバイデンではなく……

 こうした大接戦の大統領選の中、トランプ氏はバイデン氏に負けたのではなく、新型コロナウイルスという人類の天敵である感染症に負け、力尽きたと筆者はみている。

 アメリカでは3月から新型コロナウイルス感染者が右肩上がりで急激に増え始めた。その後の8カ月間で感染者1000万人以上、死者数25万人近くに及んでいる。このコロナ禍がなければ、トランプ氏は激戦州でも勝利し、再選が果たせていたとみている。

 コロナ禍前までは、大型減税や規制緩和を前面に出したトランプ政権の下で、アメリカ経済は拡大を続けていた。雇用も創出され、オバマ政権時代の低成長によって置き去りにされていた人々の賃金も引き上げた。多くのアメリカ人が恩恵を受けつつあった。しかし、新型コロナウイルスの襲来でそれらが帳消しになった。2020年4~6月の実質GDP成長率は前期比年率マイナス31.4%と、統計を開始した1947年以来最も大きな落ち込みとなった。

 選挙予測で定評のある米統計分析サイト「ファイブサーティーエイト」(米選挙人団の選挙人538に由来)によると、3月初め時点では、トランプ氏の支持率はバイデン氏にわずか4.1ポイントの差しか許していなかった。しかし、大統領選直前の11月初めには、その2倍以上の8.4ポイントまで差を広げられていた。

 トランプ氏の支持率がバイデン氏より低い理由は、トランプ氏がコア支持者を固めることに躍起になっていたためとみられる。このため、トランプ不支持率は、トランプ支持率より常に高い。いずれにせよ、コロナ感染拡大に伴い、バイデン氏に徐々に水をあけられてきた。

 もちろん新型コロナウイルスが襲来したからと言って、自動的にトランプ氏の再選への道が断たれたとは言えないだろう。かりにこの国難時に、素晴らしいリーダーシップを発揮して感染退治が奏功していたならば、逆に2期目へのゴールデンチケットをつかんでいたことだろう。

新型コロナをめぐる“トランプの嘘”が暴露された

 しかし、現実にはトランプ大統領の感染対策は見るも無残だった。世界最強の超大国のリーダーに上り詰めた人物は、人類の天敵である感染症を見くびり、してやられた。

 調査報道で知られるワシントンポスト紙のベテラン記者、ボブ・ウッドワード氏は9月、トランプ氏の感染対策の嘘と虚実を暴露した。ウッドワード氏は、トランプ氏が2月7日の段階で、「強力なインフルエンザよりも死に至る可能性が高い」と電話で話す音声テープを明らかにした。そして、3月19日には、トランプ氏は「大げさにはしたくない」と言い、公の場でウイルスの脅威を「意図的に過小評価した」と認めるかのような発言をしていた。

 そして、その春先後も感染症研究者など専門家のアドバイスを受け入れず、感染のリスクと対策を軽視し続けた。国民にも嘘を言い続けた。

トランプ陣営は敗因をどう分析している?

 これに対し、バイデン氏は「トランプ大統領は脅威を知りながら意図的に国民に嘘をついた。生死がかかっている中での裏切りだ」などと強く非難してきた。また、大統領がもっと早く行動していれば、「数万人の命が救われた」と指摘し、「大統領に不適格だ」と糾弾してきた。

 このように、バイデン氏はトランプ氏の感染対策への対応を非難し、アメリカ国民の支持を広げてきた。大統領選勝利を受け、バイデン氏は早速11月9日に、公衆衛生の専門家ら12人からなるコロナ対策タスクフォースを発足させる方針だ。

 CNNの7日の報道によると、トランプ大統領に仕えるシニアアドバイザーが、大統領選敗北の大きな要因は大統領の感染対策の真剣みの無さと偽情報によって、高齢者を遠ざけてしまったことにあると指摘した。また、別の大統領のアドバイザーは、トランプ氏が高齢者への高い感染リスクを理解せず、トランプ再選で感染が広がることを恐れたお年寄りがトランプ氏に投票しなかったと述べた。

 さらに、3人目のトランプ氏のアドバイザーは感染の封じ込めより、経済の再開を大統領が優先したことが選挙戦敗北を招いたと述べた。

勝敗を分けた「郵便選挙」

 トランプ大統領への極めつきの打撃となったのが郵便投票をめぐるバイデン氏との違いだ。トランプ氏は選挙戦を通じ、郵便投票を「不正の温床」などと批判し、支持者に郵便投票を止めるよう訴えてきた。これに対し、バイデン氏はコロナ感染対策を強調し、支持者に郵便投票の大切さを説いてきた。

 この結果、過去最多の約6500万人に及んだ郵便投票の大半は、民主党支持者の票となった。大統領選の雌雄を決したペンシルベニア州では、郵便投票の約4分の3がバイデン氏に、残りの約4分の1がトランプ氏に投じられたとされる。

 このため、同州を選挙区とする共和党議員はCNNの番組に出演し、トランプ大統領共和党支持者にも郵便投票を訴えれば、共和党議員ももっと楽な選挙戦ができていたはずと嘆いていた。

 いずれにせよ、バイデン氏は開票作業の最終盤で、過去最多の郵便投票の集計が進むにつれ、ジョージア州に続き、ペンシルベニア州などでも猛追して逆転、大統領の座を射止めた。

人種差別問題もコロナと結びついた

 トランプ氏は、コロナ対策に加え、人種差別問題でアフリカアメリカ人の怒りに火を付け、彼らを投票に向かわせた。

 特に5月に、米ミネソタ州ミネアポリスで、警官に膝で首を絞められて死亡したジョージ・フロイドさんの事件を受けて、全米で2600万人が抗議活動に繰り出したと推定されている。これに対し、トランプ氏は、1968年大統領選でニクソン陣営が「法と秩序」という戦略を掲げて勝利したことを再現しようとした。

 しかし、こうしたトランプ氏の高圧姿勢はアフリカアメリカ人のみならず、有色人種や多文化主義者、LGBT、さらには若者を立ち上がらせ、反トランプに向かわせた。バイデン氏が副大統領候補に選んだカマラ・ハリス氏は初の女性で父がジャマイカ、母がインド出身という移民の子。アメリカ社会の少数派(マイノリティー)の集票の受け皿になった。

 その一方、トランプ氏は有色人種の台頭で恐怖を抱く地方の白人票や経済重視者、聖書の教えに忠実な信仰深いキリスト教福音派(エバンジェリカル)を主にターゲットにしてきた。

 また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の5月28日時点のデータによると、人口1万人あたりの人種別の新型コロナ感染者数はヒスパニック73人、黒人62人、白人23人となっており、人種的少数派が新型コロナの被害をより多く受けていることが裏付けられている。このほかにも、アメリカ国内で統計などから予想される死者数を実際の死者数が上回る「超過死亡」をめぐるCDCのデータでも、黒人やヒスパニックは白人と比べ、人口に占める感染者の比率や感染後の致死率が高いことが分かっている。

 人種別のコロナ感染率の差と人種差別問題が密接に絡まって、マイノリティー票がバイデン、ハリス両氏を後押ししたとみられる。

 アメリカ大統領選は本来、敗北した側がそれを認めないかぎり終わらない。ジョージ・W・ブッシュ氏とアル・ゴア氏が大接戦を演じた2000年大統領選もそうだった。この時はゴア陣営がフロリダ州の開票結果をめぐって票の再集計を州最高裁に要求するなどして長期化したが、最後はゴア氏が敗北宣言をし、決着した。

トランプは敗北を受け入れるのか?

 トランプ大統領は声明で「大統領を決めるのは合法的な票であって、メディアではない」として、法廷での徹底抗戦に臨む構えだ。

「敗北は心の問題だ。敗北を受けいれ、絶望的な敗北者の思考形式になったとき、あなたは敗北する」
「でっかいエゴを持つことは良いことだ」

 トランプ大統領は自書『Think BIG and Kick Ass in Business and Life』(邦題:大富豪トランプのでっかく考えて、でっかく儲けろ)でこう述べている。

 家族や身内の共和党議員の説得があろうとなかろうと、トランプ氏はそう簡単に敗北を受け入れないとみられる。

 最悪の場合、トランプ陣営による訴訟の連発で2021年1月6日になっても正式に過半数の選挙人の投票がなされず、新しい大統領が決まっていない場合、連邦議会下院による1州1票の投票でトランプ大統領が再選される可能性も残されている。

(高橋 浩祐)

法廷闘争を続ける構えを見せているトランプ氏 ©AFLO


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

往生際が悪杉。トランプのことぢゃないよ


世界各国はいくら病気が流行ってるからって投票方法をガバガバにしてはしけないという教訓を得た 日本も絶対野党が郵便有効にしろって言ってくるだろうな


ゴルフ中のトランプに…中国「1000億あげるから裁判やめてくれない?」


文春が書くってことはトランプの見込みが無くなる、ってことか?


仮にコロナがバイデン勝利の原因とするなら、バイデンは暴動に警戒しなきゃいけない。バイデン勝利でコロナがどうにかなると思って投票した連中が多いなら、そいつらはトランプの「コロナは消えてなくなる」と同じレベルの考えしか持ってない上、トランプより短慮だからだ


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(出典 Youtube)

 日本じゃアメリカと同様にトランプ叩きしてるけど、裁判やったら逆転勝利の可能性がある。


消えてほしいという本音を隠す気もねえなw


なるほどだからWHOのテロドス氏がバイデン氏に祝電を出すわけだ。


コロナ対策失敗したなんて言われてるが、早い段階で移動制限や都市封鎖主張したトランプに対してCNNなんかのメディアが総出で「ここは中国じゃない。違法だ。」ってぼろくそに叩いて阻止しようとしたんだよな。今でも当時の記事ネット上で見られるけどひどいもんだよ。


クオモの逆張りが代表だな


トランプがコロナを侮っていたのは事実だしマスクを否定しコロナ対策もガバガバだった、その上自分もコロナに罹ってしまう。そんなんじゃアメリカ国民からすればコロナ対策に失敗した愚かな大統領に見えても不思議ではないよな?バイデンに票が集まるのも無理はない。


無駄な悪あがきはやめて、任期が切れるまでにチャイナと刺し違えることに全力を挙げてほしい。


バイデンが大統領になったからといってウイルスが雲散霧消するわけでも武漢熱が治るわけでもないのにな


こんな感じだと菅ちゃんがバイデンと会談と*るたびにネトウヨちゃんからの評価が下がる、菅ちゃん大ピンチwww


『バイデン陣営、公衆衛生の専門家ら12人からなるコロナ対策タスクフォースを発足させる方針』 → ここが興味深いところだね。まずはお手並み拝見…といきましょうかw


不正の証拠を出せるかどうか


トランプ側が不正の証拠出せるかもだけど、まずバイデン側が受けて立つかどうかよ…受けて立たなかったら?ヤバイっすね、バイデン側の支持者層が