タレントの武田真治さんが10月20日に放送されたバラエティー番組「踊る!さんま御殿!!」(日本テレビ系)で、「婚約指輪のサイズを直そうとして指輪屋に預けていたら、お店が倒産して返ってこなかった」というエピソードを明かした。

武田さんは2020年7月、モデルの静まなみさんと結婚。番組では、静さんへのプロポーズにまつわるエピソードを語っていた。

その中で、「指輪が(指に)入らないとすごく気まずくなるから」と大きめの婚約指輪を用意していたという話を披露。その後、あらためて指輪のサイズを直すために「指輪屋に出した」ところ、その指輪屋が「倒産しちゃった」「指輪もお金も返ってこなかった」(武田さん)と明かした。

夫婦になろうとするカップルにとって、単に金銭的な価値以上のものがある婚約指輪が返ってこないというのは衝撃的だ。お店が倒産してしまうと、預けていた物は返ってこないのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。

「倒産」を統一的に表現する法律上の定義はない

ーー武田さんが指輪を預けたお店が倒産してしまったようです。

企業・会社など法人の経営破綻などをあらわす言葉として、「倒産」という用語が用いられることがあります。

日常用語として用いられていますが、実は、「倒産」を統一的に表現する明確な法律上の定義がないのです。

「倒産」の典型例としては、破産手続、民事再生手続、会社更生手続などが挙げられます。

ーー武田さんの言う「倒産」は、どのような意味だと考えられますか。

たとえば、民事再生手続では、破産手続のような清算を伴いませんので、預けた指輪が換価されることはありません。

一方で、破産手続では、破産者の財産などは清算のため、換価される可能性があります。したがって、武田さんが指輪を預けた指輪屋の「倒産」については、民事再生以外の手続がとられたものと推察されます。

第三者の手にわたった指輪を取り戻すのは容易でない

ーー武田さんが預けた指輪を取り戻すことはできないのでしょうか。

武田さんは「指輪もお金も返ってこなかった」と話したようですので、指輪はすでに処分され、第三者の手にわたったものと仮定します。

その場合、武田さんの指輪であることを知らずに、過失なく何らかの取引で入手した人には、指輪の所有権を取得する「即時取得(民法192条)」が認められる可能性があります。

「即時取得」が認められると、武田さんは指輪を入手した人に返せと言うことはできなくなります。もちろん、本当に「即時取得」したかどうかは、究極的には裁判所の判断によることになります。

ただ、指輪が誰のもとにあるかを探すのは容易ではありませんし、仮に保有している方が判明したとしても、任意の返還に応じてくれない場合、訴訟等の法的措置をとらなければならなくなります。

また、先に述べたとおり、即時取得の主張が認められてしまいますと、折角訴訟まで提起したのに、取り戻すことができなくなってしまい、それまでの苦労が水泡に帰します。

費用対効果などを考えますと、現実的には諦めざるを得ないのかもしれません。

ーー店側の責任はどうなるのでしょうか。

今回は詳細がわかりませんのであくまで一般的な話ですが、もし仮に破産手続などをせず、廃業した店側が客から預かっていた品物などを勝手に処分した場合、民事上は損害賠償の対象となり、刑事上は業務上横領罪などに該当することもあり得ます。

【取材協力弁護士
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。

事務所名:東京新生法律事務所
事務所URLhttp://www.hamakado-law.jp/

武田真治さん、婚約指輪をあずけた店が「倒産して返ってこない」と明かす…取り戻せないの?


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

これ、はれのひと同じような出来事だな。成人式の着物を着つけるため着物を預けていたら成人式前に倒産して勝手に売りさばかれていたやつ。


そもそも破産手続きの場合,寸法直しや修理などのために客から「預かっている」品物は清算の対象になる「破産者の財産など」に含まれるのか? 所有権が移動したわけでもないのに?


昔勤めてた写真屋、倒産時に受け取り待ちの顧客全てに連絡かけまくってそれでも取りに来なかった分は近隣の写真屋に預かってもらって張り紙貼って受け取り出来る状態にしたよ。この指輪屋、倒産時に連絡もしなかったのなら最初から「換金するつもり」だったんだろう。


店と金貸しと弁護士がタッグを組むと、客から合法的に金品を巻き上げる事が出来ると。


>sz 何を今更、無学な貧乏人は金を献上しろっていうこの国の構図そのもの