コロナショックで世界の経済活動をストップした。IMFは2020年の実質GDP予測を-3%に下方修正。アメリカは-5.9%、中国は1.2%、日本は-5.2%となっている。すでに日本でもリストラ始まっており、大恐慌の様相をみせる。しかし、アナリストの馬渕磨理子氏は「日本が一人勝ちする可能性がある」と指摘する——。

■コロナとの戦争に悪戦苦闘する政府

リーマンショックは金融危機から端を発したトップダウン型のショックならば、コロナショックは感染拡大を防ぐために実経済が止まるというボトムアップ型のショックでしょう。このショックを生き抜く最大のポイントは、中央銀行や国の支援はもちろん重要ですが、『地方自治・国民性・医療制度』がキーワードになってきます。日本はこの3点において誇らしい優位性があるのです。

国内では、東京都小池百合子都知事や大阪府吉村洋文知事など、自治体の首長の存在感が増しています。一方で、国は「コロナとの戦争下」での政権運営に悪戦苦闘しています。「減収世帯に30万円の支給措置」を朝令暮改に撤回し、「国民一人あたり10万円の支給」へと変更するなど、財政規律のバランスなどにご苦労が伺えます。

そんな中、自治体の首長はなんとも力強いです。「命を守る」と発信し続ける小池知事は15日、新型コロナウイルス対策の第4弾となる緊急対策を発表し、総額約8000億円を打ち出しています。中小・零細事業者への支援を拡充し、融資枠の拡大、飲食店への助成、休業要請に応じた事業者への協力金支給などを2020年度補正予算案に盛り込みました。休業や営業時間短縮は経営に大きな影響を与えており、要請に応じた事業者への対応として、1店舗のみ経営する事業者には50万円、2店舗以上の場合は100万円を配るとしています。これらの受給申請の受け付けを22日に始め、5月上旬にも支給が始められるようです。

■自治体の首長こそ、アフターコロナの光

また、大阪の吉村知事と、大阪市松井一郎市長が、新型コロナウイルス感染拡大で逼迫する医療現場で不足する防護服の代用として、緊急に「雨がっぱ」買い取りを表明したことも話題に。これに対して10万着の無償提供が寄せられるなど多くの共感を得ながらにして、医療現場を守りました。

加えて、吉村知事はソフトバンクグループ孫正義会長兼社長が18日に発したツイッターに即座に反応しています。孫会長が医療用フェイスシールドと医療用メガネを緊急に調達できる可能性に言及し、このツイートに吉村知事が「是非、大阪府で買取りさせて頂ければと思います」と申し出ています。孫会長は「一緒にコロナとの闘い頑張りましょう」と返答するなど、官と民が一体となれば、これだけ早い対応が出来ることが如実になっています。地方自治の首長の牽引力、泥臭さこそ、withコロナを耐え忍び、アフターコロナでも日本が力強く生きていける「光」となっています。

■集団で均衡を保つ日本の国民性

今回の新型コロナで、日本が今後、評価されるかもしれない点は、時期尚早かもしれませんが、日本人的性質かと思ってます。渋谷のスクランブル交差点を誰もぶつかることなく綺麗に渡りきる感覚。言葉では説明しきれないですが、あのような均衡を保ちながら進む感覚を日本人は持ち合わせているのです。法的な禁止措置を取らず、都市封鎖を行わないまでも外出の自粛に従う国民性は長年積み重ねられたDNAすら感じます。

まだまだ中小企業ではリモートワークの移行が難しいとも言われており、緊急事態宣言も遅すぎるとの意見はありますが、ある程度の効果を出していると言って良いでしょう。また、3月21日と22日にお花見を楽しむ人の姿が散見され日本人の行動に疑問が寄せられましたが、背景にはその直前の安倍首相記者会見で「政府の専門家によれば、取られた対策はウイルス拡大防止に効果があった」と話し、安心感を与えてしまった点は否めません。

しかし、日本が諸外国の様に、いきなり緊急事態宣言を出していたら、どうなっていたか? 3月下旬から4月第1週目あたりは、各国の都市封鎖の情報から、日本でも「緊急事態宣言都市封鎖」との誤った情報が出回っていました。国は、緊急事態宣言都市封鎖ではないという情報がある程度行きわたるまで時間を要し、買い占めなどの混乱を招かないように時期を見計らった意味では、「タイミングは良かった」という見方もできなくはありません。デマが出回っていたあの状況下での緊急事態宣言は回避して正解なのです。群集心理が暴走した末は恐ろしいものです。ある意味国民を、混乱に陥れることなく、自粛に移行できたのではないでしょうか。

内閣官房4月14日に、JR東日本JR西日本JR九州東京メトロがまとめた主要駅の改札通過人数の推移を発表しています。20年4月12日と前年同期と比較して、改札通過人数は、東京駅84.0%減、新宿駅86.0%減、渋谷駅81.0%減、池袋駅81.0%減、横浜駅82.0%減、千葉駅71.0%減、東京メトロ全駅82.0%減、大阪駅93.0%減、三ノ宮駅80.0%減、博多駅在来線)83.0%減となっています。法的な規制なしに効果を出していることが伺えます。

■絶望的な医療崩壊寸前も、歯止めか

ニューヨークでは1日の死者数が約700~800人となり、イタリアでは死者数がなお約600人となっています(4月18日時点)。各国と比べて日本は明らかに、感染者数と死亡者数が少ない点についてPCR検査をしていないからだとの意見も多いです。しかし、ニューヨークイタリアのように、葬儀崩壊、死者が溢れている事態には陥っていないことからも、死者数のデータにはある程度の信憑性があると言えるでしょう。

まだ、多くのことは分かっていないですが、4月2日ミシガン州の保健社会福祉省が人種別の死者数の内訳を発表したデータによると、ミシガン州において新型コロナウイルス感染者の黒人が占める割合は33%・白人は25%、死者数は黒人が41%・白人は28%だったことが公開されています。アフリカアメリカ人の人たちはベースとして、高血圧、脳卒中、糖尿病の割合が高くなっており、こういった健康格差は貧富の格差から生まれていると考えられます。日本は国民健康保険制度で長い年月の中で医療に守られている国であり、医療格差が元々ないことも、今回の致死率の低さに関係してる可能性も考えられます。貧富の差と医療に日頃からアクセスできていたかどうかが、数字を通して顕著に現れています。

■日本が誇る技術「アビガン」

日本の技術が世界を救うかもしれません。富士フイルムホールディングスが開発してる「アビガン」について、新型コロナウイルスに感染した患者の症状を改善させた例が複数報告されています。日米で治験を開始しており、最短で6月末までに治験を終え、年内にも市場に出てくるとの観測もあります。また、大阪大学大学院医学系研究科の森下竜一教授と阪大発バイオベンチャーのアンジェスは、新型コロナウイルスの予防用ワクチンなどで共同開発に乗り出しています。この治験薬の開発を早めるために、大阪府大阪市4月14日に大阪大や府立病院機構などと連携して治験や研究を行う協定を結んでいます。これにより、アンジェスのワクチン治験は2カ月前倒しの予定となっています。

コロナショックが訪れ、今まで繁栄してきた資本主義や都市構造のあり方への歪みが一気に露呈しました。世界では米中の覇権争いが続きますが、その狭間で、日本は独自の『地方自治・国民性・医療制度』の3つの点で“異質な輝き”を放っているのです。

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馬渕 磨理子(まぶち・まりこ)
テクニカルアナリスト
京都大学公共政策大学院を卒業後、法人の資産運用を自らトレーダーとして行う。その後、株式会社フィスコで、上場企業の社長インタビュー、財務分析を行う。ロイター・ブルームバーグ・yahoo!ファイナンス、雑誌プレジデントテレビCMなど多数出演。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/baona


(出典 news.nicovideo.jp)


<このニュースへのネットの反応>

脳内お花畑か?


何夢見てんだ!世界的な武漢コロナウィルス被害は経済のグローバル化によって確実に混乱に巻き込まれる。アビガンが有効だとしても人道支援優先で利益は見込めない。むしろ、その後の海外向け経済復興支援で国内の支援が滞る可能性も有るんだぞ。


早い対応かどうかは現物が届いてから評価しなよ。


アフターコロニーと空目した人は立派なガンダムヲタク


ガンダム ウィングかいなと思った。


これだけ何処も彼処も大変な状況になっているのだから、日本含めて何処かの国だけ一人勝ちなんて事はあり得ないだろうね。まあ、嵐は過ぎ去ったと言い張って余裕のふりをしている国はあるけれど(何処とは言わない)


今回の中国コロナ禍は、日本経済を高度成長期のような、口(批評)より手(製造)・頭(妄想)より腹(忍耐)、に戻す、いい機会かもな


JPN!JPN!


勝ちはないな。日本はいつの時代も「一番マシな状態」には治るだろうけど


この時節に楽観論を堂々と書けるってすげぇよ…1,2月頃に楽観的な意見を述べてたコメンテーター・専門家がどんだけ批判に遭ったかもう忘れているらしい


一人勝ちといか確実に評価を上げたのは台湾ですね


訂正:一人勝ちというか確実に評価を上げたのは台湾ですね


どうしてもアフターコロニーを連想してしまう


>SDL  台湾だけ唯一コロナの封じ込めに成功したんだっけ。日本にもマスクを200万枚寄贈してくれたし本当に感謝


中国が一人負けなのは誰でも分かるけどコロナで死者が出た国に勝ちなんてないだろ死者数の差があるだけで あるとしたらウイルスに罹らなかった国


しっかしプレオンといいハーバーといい豊富な人材揃ってるなぁ・・・


日本は勝利で得た立場を崩して慣らして再配分を国際政治の場でもやるから、一人勝ちが無かったことになる


勝ちって…誰と勝負してたん?*なの?*の?他所の国煽る暇があるなら街角募金でもしてらぁ。


一人勝ちは台湾定期


勝ち?勝ちってなんだよ、日本だってたくさんの人が亡くなってる。被害が少なくすむというのならわかるが、経済でも大混乱を招いている。もし、勝った人がいるなら、ドクタードルフィンさんとかマスクとかの転売ヤーとかだろうな。


まずコロナ感染の感染者数や事後対応で国の優劣を語るやつはバカだからな なぜならそんなもの敵性国がその気で感染テロに走ればなんの意味もないのだから 特に日本なんてそんな相手に事欠かないだろ


例え話をするならコロナ対応優秀国の日本向けのマスクにはたっぷりコロナウィルスが塗られているなんていうことが普通に起こりえるのだからな


私は激烈バカです!を無駄に文字数かければこうなります


やっと日本も戦勝国の仲間入りか


アフターコロナ195、世界は核の炎に包まれていた...なんて事にならなきゃいいが


今でこそ求人数も激減して大変だけど、この調子でウィルス対策が軌道に乗れば経済復興も早い、って話じゃないかなぁ  楽観はできんけど、悲観するばかりでもやっぱり良くないと思うのよね


この状況で勝った負けたってどういう頭してんですかね


独り勝ちかどうか知らんが他国よりましなのはきっと「島国」だからさ。あと、意味は同じだけど使い方としては「独り勝ち」のほうじゃね?個人じゃないんだから「一人」は違うだろ。