社会生活まとめ

あなたが知りたい生活まとめの今話題になっている情報を丁寧に説明している特別なサイトです。なおかつ、有益となる生活まとめのオリジナル情報も披露しています。今すぐご覧ください。

    <

    2020年03月

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


    案の定、といいますか「やっぱり」という感想のほうが多いのかもしれませんが、埼玉県が開催自粛を要請しておりました、22日に強制決行された格闘技イベントである「K-1」の観戦者から発熱症状が出たという報道が行われております。もしこのイベントにイカれた方がいるのであれば、要注意です。

    観戦者、感染者

    これはジョークでもギャグでもなんでも無い。恐ろしい問題が起こるべくして起きてしまったということです。現段階ではPCR検査をするというところの情報でしか無いのですが、発熱の症状があるということです。

    現在、PCR検査は重症の方や渡航歴のある方など、限定的に行われている状態の中、保健所が不安に思い、検査を行ったということであるからただごとではありません。

    つまり、保健所側からしてみれば、高い確率で陽性が出るであろうと踏んでいるに違いないのです。

    ネットでは「やっぱり」「案の定」という声もあり、起こるべくして起きたという感想の一方「まだ陽性と決まったわけではない」と冷静にコメントする方も多いようです。

    ネットの反応


    現在はPCR検査の段階。しかしながら、なかなかやりたい人もいる中出来ない状況で、ピンポイントでこのイベント参加者にPCR検査を行うということ自体が、極めて疑わしき事態であることは想定できるでしょう。

    こちらでは神対応過ぎる無観客格闘イベントをやっておりましたが

    はたして、この検査の結果はどのようなものになるのでしょうか。

    掲載元
    https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200324/dom2003240005-n1.html

    画像掲載元:PIXABAY



    画像が見られない場合はこちら
    K-1観戦者が感染者の恐れ、発熱の疑いにネット、やっぱりの声


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【批判殺到 K-1観戦者が感染者の恐れ、発熱の疑いにネット、やっぱりの声】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


    2020年3月19日韓国・ハンギョレ新聞は、浦項(ポハン)工科大学(POSTECH)の研究チームが「新型コロナウイルスに感染しているかどうかが15分以内に分かる新しい診断法を開発した」と伝えた。
    記事によると、現在、主に用いられている検査方法は比較的正確な結果が得られるが、検体を専門分析機関に送る必要があるため結果が出るまでに最短で6時間以上かかる上、高額の費用がかかる。しかし、今回開発した新診断法は「アプタマー(Aptamer)」と呼ばれる核酸分子を利用し、妊娠検査薬のように色の変化で陰性か陽性かを判断するもので、結果がすぐ分かり、検査費用も大幅に削減できるという。
    この研究は、チャン・スンギ教授らPOSTECH生命科学科の研究チームと、韓国化学研究所、アプタマーサイエンス社の共同で行われた。研究チームは「検査時間の短縮だけでなく、治療薬の開発にも活用できると期待している」「新型コロナ以外の新種のウイルスの検査に利用できる」とコメントしている。
    チャン教授によると、今後アプタマーの開発、政府の承認などを経て、医療現場で新たな検査法が適用されるまでに4~5カ月ほど時間を要する見通しだという。
    この記事に、韓国のネットユーザーからは「こんな状況の中でも、うれしいニュースだ。早くワクチンも開発されますように」「素晴らしい韓国人として誇らしい」「韓国を支えてくれている皆さん、ありがとう」「20回洗っても性能が落ちないマスクを開発したKAIST(韓国科学技術院)と、15分で診断できるキットを開発したPOSTECH。天才だな」「治療薬も作ってください。韓国の技術でコロナを退治しよう」など、称賛のコメントが殺到している。
    ただ、「4~5カ月後では遅過ぎる。正確度が99%以上あるなら、早く許可を出していいと思う」など、早期の実用化を求める声も上がっている。(翻訳・編集/麻江)

    19日、韓国・ハンギョレ新聞によると、浦項工科大学の研究チームが新型コロナウイルスに感染しているかどうかが15分以内に分かる新しい診断法を開発した。写真は浦項工科大学。


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【新型コロナ検査が15分で?韓国の研究チームが新診断法を開発=韓国ネット称賛】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

     東京都できょう新たに新型コロナウイルスへの感染が確認された人数は63人であることがわかった。関係者によると、半数近くが東京・台東区の永寿総合病院の関係者だという。
     
     都内では25日は41人、おとといは47人、きのうは40人と3日連続で40人以上の感染が確認されていますが、60人以上の感染が確認されたのは初めてで、1日の感染確認で最多を更新した。(ANNニュース
    きょう確認された東京都の感染者数は63人 半数近くが永寿総合病院の関係者


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【きょう確認された東京都の感染者数は63人 半数近くが永寿総合病院の関係者】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

     新型コロナウイルスによる難局を協力して乗り切ろうとする日本と中国の関係は海外も注目するところとなっている。中国メディアの環球時報はこのほど、「マスク外交」が日中間の敵意をひっくり返したと論じる米国メディアの記事を紹介した。

     記事は、米国シンクタンクのブルッキングス研究所がホームページに掲載した「マスク外交:新型コロナウイルスはいかにして中国と日本の数世代間の敵意をひっくり返したか」と題する記事の内容を紹介。この記事は、必要な医療物資を政治上の利己的な目的で利用する国家もあるなかで、日本と中国がマスクを贈り合うなど、互いに示し合った「無私」の協力関係には、全世界のどの国家間にも見られないほどの寛大さが表れていたと指摘した。

     また、深い敵意のあった日本と中国が、その敵意をこれほど速やかにひっくり返したことは多くの人々に衝撃を与えたとしたが、この原因の1つには日本と中国の関係が以前から日に日に良くなっていたことがあると指摘。

     この点は中国に留学する日本人の増加や、日本旅行を楽しむ中国人2013年130万人から2019年には960万人に増加していることにも反映されていると説明。また、態度が猫の目のように変わる米トランプ政権に対して日本が感じる不安も、日本と中国のトップの間にますます強固な関係を築く要素となっていると指摘した。

     中国武漢市で新型コロナウイルスの感染が広まり出した当初、日本からは中国に向けて大量のマスクが送られ、なかには漢詩と共に送られた物資もあり、この漢詩が中国人を大いに感動させた。マスクを通じた「外交」は、少なくとも中国の民間の日本に対するイメージを大きく向上させたのは間違いないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

    新型コロナでマスクを贈りあった日中、数世代間の敵意をひっくり返した=米国


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【新型コロナでマスクを贈りあった日中、数世代間の敵意をひっくり返した=米国】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    パソコンscyther5/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

    児童ポルノ所持につき逮捕・起訴されていた英国・オックスフォード大学の初老の元講師に、このほど実刑判決が言い渡された。最初は自身の専門分野の研究のため画像・動画を収集していたが、じきに小児性愛の趣味に溺れていったという。

    ■名門大学で35年間も教鞭

    名門オックスフォード大学の講師として35年も教壇に立ち、哲学・倫理学を教えていたオックスフォードシャー州チャーチルピーターキング被告(63)。

    2010年から収集した幼児・児童の性的な画像・動画を3,000点ほど自宅のPCに保存していることが発覚し、2018年8月に逮捕・起訴されていた同被告にこのほど懲役7ヶ月の実刑判決が下った。

    刑期満了後も10年にわたり性犯罪者としての登録が義務付けられるという。

    関連記事:娘を脱がせ児童ポルノ撮影 販売目的だった鬼母に300年の実刑判決

    ■ロシアのウェブサイトを利用

    オックスフォード刑事法院の法廷では、キング被告が所持していた画像・動画の内容も明らかにされた。

    ほとんどが5〜14歳女の子を撮影したもので、わいせつ性に関して最も重度とされるカテゴリーAが183点、少し軽いカテゴリーBが134点、続いて軽いカテゴリーCが2,675点。主にロシア児童ポルノサイトから入手していたこともわかっている。

    ■研究材料のはずがいつしか…

    じつは、自身の主な研究テーマとして児童ポルノ・小児性愛の問題を扱っていたキング被告。その倫理的な問題に関する学術論文も発表していた。結婚40年の妻もおり、そうしたわいせつ画像・動画は当初は単なる研究材料でしかなかったという。

    だが審問のなかで被告は「最初は研究のために閲覧していたが、そのうち違法と知りながら夢中になってしまった」として自身の罪を認め、法廷では後悔や反省の言葉も口にした。

    ■高いIQでも罪は罪

    被告に判決を言い渡すにあたり、判事は主文で「あなたは知能や指導力が非常に高く評価されているようですが、それでも罪を償わなければなりません。これらの画像・動画はすべて幼い者が犠牲になっているという事実をあなたは理解していたはずです」と述べた。

    社会のすべての大人には未成年者性犯罪から守る義務がある。判事はさらに「裁判所はこうした犯罪を決して容認しません」と添えている。

    ・合わせて読みたい→40代男女が孫娘へのみだらな行為を動画に 驚きの実刑判決が下る

    (文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

    児童ポルノ問題が専門のオックスフォード大・元講師に禁錮刑 自身がロリ趣味だった


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【児童ポルノ問題が専門のオックスフォード大・元講師に禁錮刑 自身がロリ趣味だった】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


    2020年3月20日環球時報は米スタンフォード大学の校内新聞「スタンフォードデイリー」の記事を引用し、新型コロナウイルスの危機により中国の正しさが証明され、西洋諸国の不足が明らかになったとする記事を掲載した。
    記事はまず、新型コロナウイルスの危機によって中国は不当に攻撃され、西側諸国の機関やメディアが中国の対策を批判していたと指摘。しかし、中国の対策は高効率で力強い方法であったことが証明されたと伝えた。
    その上で、「中国の対応が完ぺきだったわけではない」と指摘。しかし、これは新型のコロナウイルスだったため、「誰も何も分からない状況だった」と中国を擁護した。そして、「その後中国は、当初の遅い反応を十分に埋め合わせた」と紹介。「人口1100万人の武漢市を封鎖したが、この措置は非常に厳格だったとはいえ、最終的に大成功だった。中国は現在、かなりの程度、新型コロナウイルスを封じ込めることができている」と称賛した。
    また、中国の対応は専門家からも評価されていると紹介。世界保健機関WHO)のテドロス事務局長は、「中国の対応は感染症対策の新しい基準をつくった」と称賛したほか、西側メディアが中国の方法を痛烈に批判した時も「中国は感謝されるべきだ。なぜなら中国は強力に感染拡大を防いでいるからで、実際のところ中国は世界の他の場所を守っている」と擁護したことを伝えた。
    一方、欧米諸国はゆっくりウイルスとの戦いの準備ができたはずで、中国の成功経験から学ぶ機会があったにもかかわらず、「チャンスを無駄にした」と分析。中国に対する攻撃は欧米諸国に「偽りの安心感」を与え、中国での感染拡大が深刻になったのは中国の統治の欠陥に原因があると信じている人もいるが、「実際には、中国式のぜい弱さが露呈したというよりも、西側諸国の統治は深刻な病を抱えていることが明らかになったと言うべきだ」と主張した。
    記事はさらに、「今回の危機で、英米の長期にわたる医療衛生への投入不足が露見した。米国の医療システムは深刻なほど遅れている。現在、米国人は(新型コロナウイルスの治療のために)医療費を支払わなければならないかどうかは分からないが、中国はウイルス検査と治療が無料だと発表している」と伝えた。
    それで記事は「現在の危機は、中国の統治の優位性を十分に証明するものとなった。西側諸国の状況が悪化するにつれ、多くの人は中国の感染症対策の模範を意識するようになるだろう。そして、実に不安なのは欧米が中国の効率、能力、専門知識を本当に模倣できるかどうかだが、過度の期待をすべきではない」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

    20日、環球時報は米大学新聞の記事を引用し、新型コロナウイルスの危機により中国の正しさが証明され、西洋諸国の不足が明らかになったとする記事を掲載した。写真は武漢市。


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【新型コロナの感染封じ込め、正しさを証明した中国、不足が明らかになった西洋諸国―米大学新聞】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    米国弁護士らは、中国湖北省武漢発の肺炎ウイルスの流行の責任を追及するため、中国政府、武漢ウイルス研究所、同所長に対して少なくとも20兆ドルの損害賠償を求める集団訴訟をテキサス州の連邦裁判所に提出した。

    原告は、テキサス州で写真撮影業を営む企業バズ・フォト。そして、保守系で元司法省検事ラリー・クレイマン弁護士、同氏の運営するグループフリーダムウォッチ」。クレイマン氏は、影響力ある保守運動団体ジャジカル・ウォッチ創設者。

    3月17日付の起訴状によると、バズ・フォトは肺炎ウイルスの流行により、経営危機に陥ったとして、損害賠償を求めている。

    フリーダムウォッチのクレイマン氏は、中国政府は違法に生物兵器を備蓄しており、武漢ウイルス研究所が市内へのウイルス漏えい防止を怠り、さらには米国への感染拡大につながったと訴えている。

    同氏はさらに、これらの行為は人口密集地に拡散させた大量破壊兵器に等しく、反社会的であり、米国法の国際テロに相当すると指摘する。また、こうした「冷酷で無謀な無関心と悪意のある行為」のために、中国政府に対して少なくとも20兆ドルの損害賠償を請求している。

    「米国の納税者が中国政府によって引き起こされた途方もない被害の代償を払わなければならないとの理由はない」「中国人は善良な国民だが、彼らの政府はそうではない」とクレイマン氏は訴訟に関する声明に書いている。

    いっぽう、中国武漢でも、米国政府に対する訴訟が提出された。

    湖北省武漢市江安区の弁護士事務所所長は20日までに、武漢裁判所に、トランプ大統領や米国疾病管理予防センター(CDC)所長、マーク・エスパー国防長官らを相手取る民事訴訟を届け出た。

    湖北光良法律事務所・梁旭光氏は、4人に対して中共ウイルスの流行による経済的、精神的損害により20万元の賠償を求めている。

    起訴状によると、2019年から2020年3月にかけて、米国で流行したインフルエンザは、未知の肺炎ウイルスであったことを隠ぺいして、公衆衛生情報を偽ったという。この情報の拠点は示されていない。同期間、米国ではインフルエンザにより3600万人が感染し、2万2000人が死亡した。また、トランプ大統領が使用する「Chinese Virus」という言葉が原告に対する名誉毀損だとして、謝罪を求めている。

    こうした「米国のインフルエンザCOVID-19であった」とする中国共産党の宣伝は、中国外交部の趙立堅報道官も同様の内容を3月22日以降、ツイッターで連続して発信している。

    トランプ米政権は、中国共産党が発生源をうやむやにして、米国インフルエンザCOVID-19だったという説、米国軍の散布説など、多種のプロパガンダを発信していることに警鐘を鳴らしている。

    (翻訳編集・佐渡道世)

    3月22日、北京のレストランで話し合う女性たち、参考写真(Getty Images)


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【米弁護士ら、武漢ウイルス研究所などを提訴 損害賠償20兆ドル】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


    2020年3月21日、中国網は、インドの野党幹部が「新型コロナウイルスは中国が生み出したバイオ兵器だ」という言論を繰り返し、インド世論を混乱させていると報じた。
    記事は、「新型コロナウイルスの感染拡大によりインド国内の中国への態度が複雑化している」と紹介。「インド政府は中国との関係を悪化させることを望んではいないものの、野党政治家などの一部勢力が批判の矛先を中国に向けることで自らの政治的利益を得ようと躍起になっているのだ」とした。
    そして、「その真骨頂とも言うべき事例」として、インド国民会議の幹部であるマニッシュ・テワリ氏が「新型ウイルスは中国が生み出した、制御不能なバイオ兵器だ」といった発言を繰り返していることを挙げ、この発言がインド国内に広まってインド世論の対中認識に大きな影響を与えていると主張した。
    また、「以前から中国に対する非友好的な発言が見られたインドSNSでは、ウイルス感染拡大後に中国の状況に関するうその情報が多く出回るようになった」と説明。インドネット世論の盛り上がりは特に2月末、3月中旬と2度のピークが見られ、それぞれピークを生むきっかけとなるトピックがあったとしている。
    2月の盛り上がりについては、テワリ氏がツイッター上で1981年に米国で発表された小説を持ち出して「新型ウイルス中国人が生み出したバイオ兵器ではないか」とツイートしたことだとし、この小説が「武漢市のウイルス研究所でバイオウイルスが漏れ出し、大恐慌を引き起こす」という内容であったことから、「40年前の驚くべき予言だ」としてインドSNS上で急速に拡散したと紹介した。
    また、3月については、16日にインド東部ビハール州の弁護士が「中国政府は意図的にウイルスを製造、拡散し、人類の滅亡を図った」として地方裁判所に訴えを起こしたことを挙げた。(翻訳・編集/川尻

    21日、中国網は、インドの野党幹部が「新型コロナウイルスは中国が生み出したバイオ兵器だ」という言論を繰り返し、インド世論を混乱させていると報じた。写真はインド。


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【「新型コロナは中国のバイオ兵器」発言のインド野党幹部を中国メディアが批判】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    (数多 久遠:小説家・軍事評論家

    JBpressですべての写真や図表を見る

     自衛隊新型コロナウイルス対策のため、チャーター機で帰国した邦人の支援、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」(以下「DP号」)に対する支援などを行ってきましたが、3月16日をもって活動は終結しました。

     この間、厚労省職員などの間で感染者が発生する中、延べ約4900名が活動した防衛省自衛隊では1人の感染者も出なかったことは、自衛隊の優秀さを示したものと言えるでしょう。

    もしも船内で暴動が発生していたら

     しかし筆者は、かつて自衛官として災害派遣などに携わってきた者として、今回の活動にはある懸念を抱いていました。特にDP号における活動においては、その懸念が大きく、問題が発生しないことを祈りながら、日々のニュースチェックしていました。

     その懸念とは、自衛隊の活動根拠と権限に関してでした。

     たとえば、船内で暴動が発生した場合、自衛隊は、当然それを抑えることを期待されるでしょう。しかし、現在の自衛隊にはそのための十分な権限がないのです。

     もし暴動が発生し、暴徒が感染を広めるようなことになれば自衛隊が非難されますし、権限を越える行為、いわゆる超法規的活動を行って暴動を抑えれば、これまた非難されます。

     幸いにして、そのような事態には至りませんでしたが、新型コロナの世界的拡散は継続しており、再度、自衛隊の活動が求められる可能性は消えていません。今般の活動が無事に集結した今こそ、この問題を考えるべき時です。

     以下では、この問題について、防衛省に問い合わせた結果を含めて解説します。

    自衛隊が実施した3つの活動

     本題に入る前に、今回の防衛省自衛隊の活動について整理しておきましょう。

     自衛隊の災害派遣は、1月31日に始まり3月16日をもって終結しています。参加部隊は、陸上自衛隊の陸上総隊、東北方面隊、東部方面隊、海上自衛隊自衛艦隊、横須賀地方隊、大湊地方隊および教育航空集団、航空自衛隊の航空総隊および航空自衛隊補給本部の各部隊等でした。

     自衛隊の今回の活動内容は、次の3つに大別されます。

    (1)DP号での活動(2月6日から3月1日まで)

     延べ約2700名の隊員により、DP号乗客等に対する医療支援、生活物品等の搬入や仕分け、船内の消毒活動、輸送支援等を実施。

    (2)一時宿泊施設での活動(1月31日から3月8日まで)

     延べ約2200名の隊員により、税務大学校(埼玉県和光市)等の一時宿泊施設において、チャーター便により帰国した邦人等やDP号の下船者に対して、物資の配布や問診票の回収等の生活支援や、医官等による回診や診療等の健康管理支援を実施。

    (3)自衛隊病院等での活動

     自衛隊病院等において、PCR検査陽性者等を治療。

     なお、以上の3つの活動のため、自衛隊では2月13日に医師や看護師資格を有する者や通訳対応できる予備自衛官を招集しています。

    「汚染された衣服」の扱いに長けていた自衛隊

     これらの活動において、自衛隊員は防護装備としてタイベックスーツ(デュポン社が開発した簡易防護服)を着用するなどしましたが、特別な装備は使用していなかったとのことです。それでも、自衛隊は1人の感染者を出すこともなく、円滑に活動することができました。

     その理由としては、活動に当たって衛生担当の隊員から再教育が行われていたことなどが挙げられます。また、多くの隊員がNBC防護装備の着脱要領について教育・訓練を受けていたことも大きかったと思われます。

     特に重要なのは、装備の”脱ぎ方”です。汚染された表面に触れないよう、つまり汚染を広げないように脱ぐためには、決められた順序要領を守らなければないのです。脱いだ後の汚染された衣服の扱いも重要です。こうした順序要領は、ウイルス汚染に限らず対NBC(核・生物・化学)兵器で共通しているので(装備によって多少異なりますが)、ガスマスクや防護衣の着脱要領について教育・訓練を受けた隊員は、ウイルス対処においても基本的な知識技能をあらかじめ持っていました。

     自衛隊は、今回の活動を振り返り、課題等があれば改善するとのことですが、今後、再び活動が求められる可能性もあるため、タイベックスーツなどを確保することが必要となるでしょう。また、新型コロナのように粘膜への付着さえ防げば十分に防護できるウイルスでしたら、NBC防護用に確保している防護衣やガスマスクで十分以上の効果があります。これらを繰り返し使用できるよう、オートクレーブ(低温高圧でウイルスを死滅させられる装置)を一般部隊にも装備させるとか、ガスマスクフィルター部分(吸収缶)に装着できる対ウイルス用の簡易フィルターを装備化することなども、必要かもしれません。

    当初の活動根拠は「省庁間協力」だった

     さて、以上で今回の自衛隊の主な活動を3つ挙げましたが、実はこれが活動の全てではありませんでした。この点こそが、自衛隊の活動権限不足という問題に直結しています。

     1月中旬、中国での感染が拡大する中で、私は、自衛隊が活動を求められる可能性があるだろうと予想しました。そして同時に、どのような活動根拠で自衛隊を動かすことになるのだろうかと考えました。私は自衛官であった時、そうしたことを検討するポジションに配置されることが多かったため、自衛隊が権限が不足する状態のまま現場に出されることになるのではないかと懸念したのです。

     マスコミ報道ではこの点に全く言及がなく、DP号での大々的な活動が始まると、当たり前のように「災害派遣」として報じられていました。

     今回、活動の終結に伴い、その点について防衛省に問い合わせてみました。すると上記の情報から洩れていた活動が確認できました。

     それは、災害派遣ではなく「省庁間協力」という根拠で実施された活動でした。

     省庁間協力によって実施された活動は、武漢から帰国したチャーター便に搭乗していた邦人の検疫支援です。これは、自衛隊中央病院から派遣された看護官2名により実施されました。

     この省庁間協力は、1月29日に実施されています。この後は、1月31日に災害派遣命令が発令されたため、自衛隊の活動は「災害派遣」を根拠としています。

    なぜ「災害派遣」に切り替えたのか

     省庁間協力は、国家行政組織法第2条に基づいて実施される活動です。国家行政組織法第2条にはこう記されています。

    (国家行政組織法第2条)「国家行政組織は、内閣の統轄の下に、内閣府の組織とともに、任務およびこれを達成するため必要となる明確な範囲の所掌事務を有する行政機関の全体によつて、系統的に構成されなければならない。」

     この条文を根拠とし、他省庁からの依頼に基づいて実施するのが省庁間協力です。防衛省だけでなく、他省庁でも実施可能です。今回は、厚生労働省からの依頼に基いて、自衛隊が活動しました。

     今回、防衛省が実施した活動は、回診や診療等の医療・健康管理支援、生活物品等の搬入・仕分け、問診票の回収等の生活支援、船内の消毒活動、輸送支援などでした。本来は、厚労省が行うべき活動です。対象人員が少なく厚労省のリソースが足りていたなら、厚労省だけで実施したでしょう。

     ですから、今回の自衛隊の活動は、全てが省庁間協力という位置づけでも、根拠という点では問題ありませんでした。当初は、省庁間協力として実施した以上、そのまま全ての活動を省庁間協力として実施しても良かったのです。

     ですが、防衛省は、活動根拠を省庁間協力から災害派遣に切り替えました。

     その理由には、矢面に立たなければならない厚労省の負担を減らすといったこともあったかもしれません。ですが、活動する部隊・隊員の権限不足だった可能性が高いと私は考えています。

     自衛官でも、厚生労働省に出向すれば、立場は厚生労働省の職員に変わります。ですが、省庁間協力では身分まで変わりません。そのため、身分はあくまで自衛官であり、その際の権限は、自衛隊法など自衛官が普段から付与されている権限に留まります。災害派遣時に付与される権限は、当然持っていません。

     チャーター機で帰国した邦人の中には、厚労省が求めた検査を拒否して帰宅した人が2名ほどいました。新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正されたことにより、政府の権限も強化される形になりましたが、この時点では改正前でした。それに、権限が強化されていても、省庁間協力では自衛隊員の権限は厚労省職員と変わりません。もしも暴動が起こった際に、それを押しとどめるような強制的な行動は全くもって不可能だったのです。

     一方、根拠を災害派遣に切り替えれば、活動する部隊・隊員には、災害派遣時の権限が付与され、十分とは言えないながら多少はマシになります。

    災害派遣時の権限では対処できないこと

     災害派遣時の権限は自衛隊法第94条に定められています。94条によると、被災地に派遣された自衛隊員は、警察官がその場にいない時に限り、避難指示等の措置や私有地(船舶も含む)等への強制的な立ち入り(ただし、駅、飲食店など多数の人が集まる場所は除外)ができることになっています。

     ただし、この権限も、今回の災害派遣での実際の効力を考えると、決して十分なものとは言えません。

     そもそも避難等の措置を行使できる事態は、「天災、事変、工作物の損壊、交通事故、危険物の爆発、狂犬、奔馬の類等の出現、極端な雑踏等」となっているのですが、「天災」に感染症の発生が含まれるのかは微妙でしょう。

     また、もしもDP号で暴動等が発生していたとしたら、災害派遣時の権限であっても対処することができなかったはずです。

     自衛隊の活動根拠が省庁間協力のままだったら、「落ち着いて下さい」と注意する程度のことしかできませんでした。実際には災害派遣に切り替えられていたため、「ここから先は立ち入り禁止です!」等の強い指示はできたと思われます。チャーター機で帰国し検査拒否して自宅に戻った人がいたことを考えれば、この程度の応対は、実際に発生していたかもしれません。しかし、暴動にまで至っていたとしたら、この避難指示等の措置では、どう考えても不十分です。

     自衛隊法に規定されている災害派遣時の権限は、実は警察官職務執行法(以下、「警職法」)を準用したものです。上に挙げた避難指示等の措置は、警職法4条の準用です。ところが警職法5条に規定される「犯罪の予防及び制止」や7条で規定される「武器の使用」は、災害派遣時に準用されることにはなっていません。

     つまり、災害派遣で活動していたDP号内の自衛官は、たとえ暴動が起きても武器の使用はおろか、暴動の制止さえも、法令上はできなかったのです。

    自衛隊は「暴動」に対して何ができたのか

     防衛省が、DP号等における暴動をどの程度まで警戒していたかははっきりとは分かりません。この点も問い合わせましたが、現時点ではノーコメントでした。

     では、仮に現行法制下で、DP号等において暴動の危険性が高かったとしたら、防衛省自衛隊には何ができたのでしょうか?

     法令に違反しないという観点だけなら、武器の携行は可能でした。これは、自衛官の一般的な権限として可能だからです。

     ですが、基本的に、自衛隊は災害派遣の際に武器を携行しません。“天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のため必要”な時に実施するのが災害派遣であり、武器は必要ないからです。

     暴動が起こる可能性があるのなら、治安出動を発令することは可能かもしれません。ただし、それは“一般の警察力をもつては、治安を維持することができないと認められる場合”に限られます。今回も、暴動が懸念されていたとすれば、目に付かない場所で機動隊が待機していたかもしれません。

     また、最悪の事態を想定して、治安出動の発令を予期し、DP号の近辺に武器を持った隊員を待機させることも不可能ではありませんでした。しかし、そうした噂は耳にしていませんし、ここまでの措置はとられていなかったと思います。

    再び活動する日に向けて

     冒頭で述べたように、新型コロナウイルス感染症は世界で拡散の一途をたどっています。自衛隊の活動が、再び必要になる可能性は高いと言わざるを得ません。

     その活動が、武漢の“都市封鎖”のような活動ではないことを祈るばかりですが、そうした活動は警察だけで対応できるとは考えられません。必要になれば、自衛隊が駆り出されるでしょう。

     しかし、その活動根拠が省庁間協力では、権限が全く足りません。災害派遣であっても、はなはだ不足しています。災害の現場で暴動の発生が予期されるような場面では、警職法5条の「犯罪の予防及び制止」、7条の「武器の使用」が必要になるでしょう。

     現行法制のまま、そのような事態が発生してしまった場合には、かなり、というかほとんど真っ黒なグレーになりますが、私的な素案として、次のような方策は可能なのではないかと思います。

     根拠としては災害派遣で活動させながら、自衛官としての一般的な権限で武器を携行させます。そして、暴動が発生した際には、武器を携行した隊員を、暴動の正面に出します。警告射撃でも、武器の使用にあたるため、武器を携行していても、隊員は武器の所持を見せることしかできません。しかし、もし、暴徒が押し寄せてくるようならば、自衛隊法第95条の武器等防護という法令を根拠として、警告射撃等が可能になります。

    (第95条)「自衛官は、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備又は液体燃料(以下「武器等」という。)を職務上警護するに当たり、人又は武器等を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。」(一部抜粋)

     とはいえ、こんな真っ黒なグレー対応を、隊員にさせてはなりません。現実的に可能なのは、警棒や木銃(銃剣の扱いを習熟する際に使用する模擬銃剣)を持たせる程度でしょう。しかし、疫病に感染している暴徒は、腕を振るう以上に、彼らがばらまくウイルスが脅威です。タイベックスーツなどは簡単に破れてしまいます。もみ合いになっただけでも、対応した隊員には感染者が発生するはずです。

     災害派遣時の権限を拡大するため、早急な議論が必要だと思われます。

    [もっと知りたい!続けてお読みください →]  この非常時を生き抜くため、全国民に「10万円」を

    [関連記事]

    韓国がこれから直面する「IMF危機以上」の地獄

    日本は新型コロナを「ゆるやかに感染」させるとき

    洗浄作業が行われている、新型コロナウイルスで集団感染が発生したクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス号』。2020年3月9日撮影(写真:Pasya/アフロ)


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【社会問題 「プリンセス号の暴動」を抑え込めない自衛隊の限界】の続きを読む

      このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

    安倍政権に批判的な人たちは、「安倍やめろ!」とさけぶデモを繰り返している。だが、そうした活動にはどれだけの効果があったのだろうか。法政大学の上西充子教授は「デモとは違う形で安倍政権の問題を知ってもらおうと、2018年から国会審議の街頭上映会を続けています。国会でのやりとりをノーカットで見てもらうことが重要なんです」という——。

    ■「国会パブリックビューイング」とは何か

    ——上西教授は2018年から「国会パブリックビューイング」(国会PV)に取り組まれていますね。徐々に注目が集まり、今年2月には新著『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイティブ)も出ました。

    国会PVは、国会審議の様子を駅前などの街角で上映する活動です。生中継ではなく、インターネットで配信された国会審議の一場面を切り出した動画をスクリーンに映します。

    はじめは映像だけを流し、私がスクリーンの隣に立って解説をする形を取りました。その後、横に立たない方が見てくれるのではないかと考え、私の解説を別に収録し、30分~1時間ほどの一本の動画にまとめるようにしました。質疑応答の内容をより理解してもらえるように、字幕もつけました。

    ——どんなテーマを扱っているのですか。

    働き方改革や入管法の改正、統計不正など与野党対決型となったテーマです。最近では大学入試改革の問題や桜を見る会もテーマにしました。昨年の臨時国会以降は、スライド解説も加え、私やゲストスクリーンの横で解説する形をとっています。

    制作した番組や国会PVの様子はYouTubeにもアップしています。

    ——国会PVは誰が、どのように運営しているのでしょうか。

    メンバーは現在、13人です。開催場所や時間は事前にツイッターで告知し、不定期で開いています。これまでに新橋や有楽町、新宿駅前などで開いてきました。

    ノートパソコンとプロジェクター、充電式のバッテリー、布製のスクリーンスピーカーがあれば国会PVは開くことができます。

    ■ネット空間から生まれた「国会パブリックビューイング」

    ——なぜ2018年に「国会パブリックビューイング」が始まったのですか。

    2018年6月15日、東京・新橋駅前のSL広場で国会PVを初めて開きました。街頭上映会というアイデアを思いついたのはその4日前です。ツイッターで「街頭上映会とか、できないですかね」とつぶやいたら、ものすごいスピードで形になりました。新橋駅前での上映会は、面識もない人たちと組んで始めたものなんです。

    当時、国会では「働き改革関連法案」の審議が大詰めを迎えていました。国会PVの出発点は、この法案の中で政府が実現しようとしていた「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)の問題点を世の中に発信しようと思ったからです。

    「働き方改革」と言えば聞こえはいいのですが、当初、この法案には時間外労働に罰則付きの上限を設ける規制強化を盛り込む一方、裁量労働制の対象業務を広げ、高プロという規制緩和策を抱き合わせたものでした。

    労働時間に関係なく成果をあげた人が高い賃金を得ることができるかのように喧伝された訳ですが、労働時間規制が及ばない労働者の類型を新たに生み出すことによって、労働条件の最低基準を定めた労働基準法に穴が開き、形骸化してしまう危機感がありました。

    ■きっかけは「働き方改革」の国会審議

    ——裁量労働制の拡大は法案提出前に削除されていますね。

    そうですね。私は政府が根拠としていたデータの間違いを見つけ、ウェブ上で記事を書いて問題点を指摘していました。すると、野党議員がその問題を国会で取り上げました。最終的には、安倍晋三首相が答弁を撤回し、法案からの削除にもつながったのです。

    実際の国会審議をじっくり見始めたのは2017年からだったのですが、この経験から、国会に目を向け、おかしいと思うことはおかしいと声を上げることに意味があるんだと感じましたね。

    ——高プロはどうなったのでしょうか。

    野党は同じように法案の問題点を厳しく追及しました。法案の提出理由の大前提が崩れるところまで行きましたが、法案からの削除には至らないわけです。

    これはもう論じゃないんだと思いました。論で詰めるだけでは、無理なんだと。

    それに、大手メディアの動きが鈍かったんです。裁量労働制の時は新聞やテレビ、ワイドショーでも取り上げられましたが、高プロは危機感が共有されていないと感じました。

    ウェブ記事で問題点を指摘しても、関心のある人の範囲を超えて読まれることは難しいですね。ツイッターでつぶやいても同じことです。国会や官邸、議員会館前の抗議集会も、関心を持っている人しか集まりません。

    その範囲を超えて、広く認知してほしかったんです。いま国会で何が、どう議論されているのかを見てもらおうと思い、街頭上映会を企画したんです。

    ■「声をかけない洋服屋さん」方式

    ——見守るだけですか?

    はい、当初は解説つきの番組を上映し、私たちは離れて見守るだけでした。私は「声をかけない洋服屋さん」方式と呼んでいます。街頭活動の主催者は「話を聞いてほしい」「伝えたい」という気持ちが前面に出てしまうあまり、声を張り上げたり、刺激的な言葉を掲げたりすることがあります。

    でも、それって見る側からすれば引いちゃうと思うんです。相手に伝える、届けるためにも「相手への敬意」が必要だと思います。聞いてくれるか否か、足を止めてくれるか否かは相手にゆだねる、それが「声をかけない洋服屋さん」方式です。

    ——一般的な街頭活動のイメージとは違いますね。

    そうですね。やっぱり、私が既存の市民活動に違和感があったからですね(苦笑)。首相官邸前や国会前、議員会館前のいろいろなデモに参加してきましたが、やはり関心のある一部の人しか集まりません。

    「これをやってどんな意味があるんだろう」と思うことがありました。無意味だとは言いませんが、限界があると感じていました。

    例えば労働組合が主催するデモで、組合の旗が並んでいるとき。私はどこに立ったらいいのかって思っちゃうわけです(笑)

    さらに、最後はお決まりのシュプレヒコールです。

    ■安心して足を止めてもらえるような空間づくり

    もちろん団結力を高めることや問題意識を共有することは大切なんです。みんなで「反対!」ってやりたい人もいる。しかし、そんな運動だけでは、問題が山積している法案が国会を通っちゃう現実があるんです。

    一方で落ち着いて問題を考えたいという人も大勢いるはず。既存の労働運動や市民運動は、従来の参加者の外にどう広げていくか、というところがものすごく足りないなって思ったんです。

    国会PVでは落ち着いて問題を考えたい人たちにも、安心して足を止めてもらえるような場にできるよう心がけています。だからビラを配らないし、コールもしません。淡々とした解説を添えて国会審議を見てもらい、考える材料にしてもらおうと思っています。

    ——国会審議はテレビや新聞でも報じられます。それでは不十分ということですか。

    高プロに関する報道が、残念ながら良い例だと思います。地上波NHKや民放のニュース番組が一生懸命取り上げてくれればいいんですが、高プロの問題はあまり取り上げられなかった。

    特にテレビですが、絵にならない複雑な問題はニュースになりにくい。国会がニュースになるのは、多くの場合、安倍首相が出席する予算委員会や本会議、それと、与野党がもみ合いになる採決の場面ですよね。

    2015年安保法制の時などは、議員たちが委員長席を取り囲んでマイクの奪い合いをする映像が頻繁に流れました。もみ合いのシーンは、単純明快で絵になる。テレビも取り上げやすいわけです。

    ■メディアがやらないから私たちがやっている

    ——分かりにくい問題は、ニュースになりにくいということですね。

    さらに、採決の段階でメディアが問題を取り上げても遅いと言わざるを得ません。委員会で採決をされたら次は本会議です。衆議院が終わったら参議院、そしてあっという間に成立です。メディアの動きが鈍いのは致命的なんです。

    だから、法案が国会に出される段階、あるいは審議の段階から情報発信をして、多くの人に関心をもってもらうことが大切です。

    それをメディアがやらなかったから私たちがやったんです。でも、私たちはメディアの代わりにはなれません。国会PVという一つのモデルをぜひ参考にしてほしいと思います。

    ——国会審議での注目ポイントを教えてください。国会PVで伝えたいことは何ですか。

    今、国会で何が議論されているのか。野党がどういう質問をして、安倍首相や閣僚がどう答えたか。ありのままを見てほしいと思っています。国会PVは国会審議を「可視化」することが大きな目的です。

    しかし、今のテレビや新聞だけでは正確に可視化できているとは言えません。

    ■テレビや新聞が「削った部分」こそ見てほしい

    テレビは「尺」、新聞は「文字数」に制限があります。国会審議でのやり取りは報道機関によって「編集」されて紹介されます。尺や紙面の都合で要約したり、映像をつないだり、削ったりしたものです。

    実際には、無駄に説明が長い答弁や、何を言っているかわからない答弁もありますが、編集では、それをバッサリ削るんですね。でも、本当に重要なのは編集の過程で「削られた部分」にあるんです。

    安倍首相や閣僚の答弁も要約されると誠実に答弁しているように聞こえます。ノーカットで聞いてみると、はぐらかしたり論点をすり替えたりすることが多々あるんです。この事実を見逃してはいけません。そんな答弁の繰り返しでは、議論は深まるはずがありません。

    ——「ご飯論法」のことですね。

    そうです。国会PVでは、編集で削られてしまった部分をノーカットで見てもらうことで、リアルな国会審議の様子が可視化されます。私は意図的に論点をずらす政府の答弁姿勢を「ご飯論法」と呼んで批判しましたが、これも安倍政権側の不誠実な答弁姿勢を可視化させるためのツールだと言えます。

    ■選挙は「ドラフト会議」、国会審議は「試合」

    ——国会をみるなかで新しい発見はありましたか。

    国会審議を見ていて、私自身気づいたことがあります。それは「選挙だけじゃないんだ」っていうことですね。

    テレビや新聞では選挙前には政党や候補者の動きが特集されます。公約や意気込みを有権者に示します。投開票日の夜は、何時間も選挙特番が組まれますよね。当選確実の速報が流れ、当選した人が万歳三唱をする映像がテレビに映し出される。

    その後はどうでしょうか。当選した議員たちが何をしているのか、テレビで目にすることってほとんどありませんよね。

    選挙って野球の「ドラフト会議」みたいなもので、球団に指名された選手が、実際の試合でどれだけ活躍するかが大切ですよね。ドラフト1位指名で最初は華々しかったけど試合はボロボロ、なんて選手もいる。全然目立たなかったけど試合で好プレーを連発する選手がいるのも事実ですよね。

    ■「試合」を見て良い選手を見極める

    ——選挙が「ドラフト」とすれば、国会は……。

    国会審議は「試合」です。国会議員という選手が、試合の中でどんな活躍を見せてくれるか。そして、立憲頑張っているじゃないか、共産党ってすごいなとか、国民民主も堅実だなとか、なんかそういうのを見て、それでまた次の選挙の判断材料にできるというわけです。

    試合は選手が練習の成果を披露できる場です。私たちにとっても試合を見て選手をしっかりと見極めることができる貴重な場だと言えます。

    ----------

    上西 充子(うえにし・みつこ
    法政大学 キャリアデザイン学部教授
    1965年奈良県生まれ。東京大学教育学部卒業後、同経済学部に学士編入して卒業。同大学院経済学研究科第二種博士課程単位取得満期退学。日本労働研究機構(現在の労働政策研究・研修機構)の研究員を経て、法政大学キャリアデザイン学部教授、同大学院キャリアデザイン学研究科教授。専門は労働問題。2018年6月より、「国会パブリックビューイング」の代表として、国会の可視化に向けて取り組んでいる。2018年新語・流行語大賞トップテンに選ばれた「ご飯論法」の受賞者のひとり。2019年、日隅一雄・情報流通促進賞の奨励賞を受賞。

    ----------

    2018年11月18日、新宿駅南口前で開かれた「国会パブリックビューイング」。テーマは入管法改正。 - 写真提供=上西充子教授


    (出典 news.nicovideo.jp)


    <このニュースへのネットの反応>

    【「安倍やめろ!」に違和感をもった大学教授がひっそりと続けていること】の続きを読む

    このページのトップヘ